コルセット (新潮文庫)
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コルセット (新潮文庫) / 感想・レビュー
ふみ
いやはや 思わぬ苦戦。ワケわかんなくなっちゃう系の恋愛は描かない作家だとは思ってたけど、外側から描いた四人の私たちに翻弄されました。一人称で俯瞰する難解エロ小説。唯一 階級の違う牧子ちゃんのおかげで、客観性がより際立つ。上手いなぁ。そして、美味すぎる。
2015/07/12
巨峰
上流階級の人たちは、彼らが彼らであるためにコルセットを着けたかのように「躾」られる。その息苦しさから逃れるのは性愛という秘め事しかないのか−−−。文章もまたコルセットを嵌められたかのように息苦しい。妙な平仮名の使用など所々おや?とさせられますけどね
2011/07/30
tom
何冊かの本を同時並行で読んでいて、ふと、この本のことを思い出し、書棚から引っ張り出してきた。そこそこの上流階級を自認する人たちを主人公にして、彼らの性的行動を記述するという物語。一人称で書いているのに、ナルシスティックにならず、冷静・淡々と進行する。不思議なほどに扇情的ではないのが面白い。カオルコさんは、いろいろな文体で書く人だけど、この小説の文体は、かなりの好み。また、いつか引っ張り出してくると思うのです。
2018/08/11
tom
バスに乗って青もみじを見に行く。道中の退屈をしのぐため、薄い本書を選ぶ。この人、いろんな物語を書く人だけど、この本を書くために使った一人称。何ともよろしい文体につながる。心地よい読書体験。最近、東大生ネタの本を書いて、ずいぶん評判になってるみたいだけど、あの本よりも、よほど優れもの。
2019/06/18
秋良
働く必要もなく、自分で何かを選択することもなく、将来が決まっているから先についても考えない、上流階級の人々が楽しむ性愛の遊戯。人生をかけて暇つぶしをしている彼らはもう千年も生き続けている人みたいに乾いている。下世話なことを言えば認知症のリスクたけーな、と思いながら読んだ。
2018/04/14
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