怪しい人びと (新潮文庫 ま 13-1)
怪しい人びと (新潮文庫 ま 13-1) / 感想・レビュー
ワッピー
1992年新潮文庫書下ろし。眉村氏の作品は何冊か読んできましたが、ショートショートは初めてです。あとがきも含めた33篇を収録。日常に潜む非日常的風景という紹介文だが、読んでいて感じるのは、疲労困憊の精神状態・妄想・認知のゆがみによる日常生活からのドロップアウトという感覚が多く、被害妄想や幻覚から何か発症したのかとも取れる、ライン上に撃ち込まれたきわどいボールのような作品群です。物性の変わる「しあわせな日」、愛書家ならもしかして身に覚えがあるかもしれない「本たち」、幸運をもたらすという「光る硬貨」が印象的。
2020/10/28
まろまろ
久々の眉村卓、安定のゾクゾク感に浸る。そして閉塞感や孤独感を存分に体験できる。本の中は次元の淵。読みながらフラフラと、4次元に落ちそうになったり3次元に戻ったりする。「あとがき」が最高潮で、体も心も舞い上がった。
2024/03/05
渡邊利道
1992年の全編書き下しのショートショートと言うか、異世界ものの掌編32編を収録した作品集。この時期からすでにこういうものを書いていたのかという軽い驚きと、そういえば読んでいた筈という矛盾した気持ちに包まれた。どれも面白い。当時はずいぶんいい加減な書き方だなあと思ったことだろうことも想像できる。ようやく自分が作者に追いついたのか。
2018/02/06
王天上
やけに無意味な感触のショートショート。いいですね。変に風刺したりするよりこういう感じの方が面白く感じる。
2016/09/25
キャッスルロック
眉村卓氏によるショートショート集。SFというよりも不思議な話。不思議な話というより今で言う実話怪談ぽい作品が多くて、読後感に軽い怖さを覚える。その意味でも本書は気軽に楽しめる作品なんだけど、眉村卓氏の作品は一部の作品をのぞいて、ほとんどが絶版のままというのは、やはり勿体ないと思ってしまうな~。
2020/12/23
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