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フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫 よ 29-1)

フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫 よ 29-1)

フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫 よ 29-1)

作家
吉田篤弘
出版社
新潮社
発売日
2007-07-01
ISBN
9784101324517
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フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫 よ 29-1) / 感想・レビュー

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ハイランド

ビートルズ「ホワイトアルバム」をテーマとした短編集。ゆるくというより複層的につながっていく連作。何処か寂しくも懐かしい匂いのする、無国籍の詩のような小説は、好きな人にはたまらないものがある。この作者にとって「世界の果ての食堂」というのは一貫したテーマであるのか。いまはもういなくなってしまった人にもう一度会いたくなる、無くなった場所に行きたくなる。あるいは実は行ったことがないけれど、本当は自分の帰るべき街だったんじゃないかと思わせる場所に・・・。とりあえず、シシリアンソルトをたっぷり入れたお風呂に入りたい。

2015/07/18

あんこ

ようやく読めました。なかなか書店になくて大変でした。読書メーターのみなさんの感想で、ずっと楽しみにしていましたが、予想以上に素敵な連作でした。独立していそうなところで、ビートルズを通してどこかでつながっているかんじ。わたしもお話の続きが気になります。[ろくろく]は、吉田さん自身のことも含まれているのかな、と思いつつ、いちばん好きです。

2013/05/18

めろ

時代や場所、語り手は違うけれど少しづつ、でも確実に繋がって世界が広がっていく17編の連作短編集。キーワードはビートルズの「ホワイト・アルバム」。しずかにゆったりと流れる時間とユーモア溢れるキャラクターがとても魅力的でした。<世界の果て食堂>にレインコート博物館、閑人カフェ。シシリアン・ソルトも気になるし永遠詩も読んでみたい。とても素敵な世界です。

2012/09/16

ひろ

ビートルズのホワイト・アルバムをモチーフに紡がれた短編集。この作品自体も様々な物語のかけらを集めたアルバムのようなつくりになっている。描かれた情景からは異国の香りがしていて心惹かれる。ノスタルジーを感じさせるあたたかなストーリー。数年前にハードカバー版を読んだ記憶に浸りながら、懐かしさとともに読了。やっと文庫版の書き下ろしを読むことができました。

2019/02/16

みどり

図書館をよく利用する。知らない著者の知らない物語がたくさんある興味深い場所だと思う。たまに、まだ開かれていないようなパリッとしたページを持つ本と出会う。そんなとき「見つけてあげれてよかった」と思うことがある。本からしたら大きなお世話かもしれないけれど、なんとなく安心するのだ。「陽の目を見なかった物語というのは、この世にはゴマンとある。この世でいちばん哀しいのは、一度も語られることのなかった物語たちと一度として奏でられることのなかった音楽たちだ」とあって、なんとなく開かれていない本のことを思い出した。

2017/10/29

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