レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち (新潮文庫)
レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち (新潮文庫) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
レンタルチャイルド、前知識なく読み始め、終始目を背けたくなる重圧感に心身が悲鳴を上げながらの苦しい、とても苦しい読書でした。私達と同じ地球上でリアルで凄惨な『命懸けで生き抜く』現実がある!物乞いで同情を得るために産まれたばかりの赤ん坊をレンタル。己の腕や足を斧で切り離させ、痛みを抑えるための麻薬中毒!レイプ、暴行、ありとあらゆる非道は、最貧の地で生き抜く術であり彼らにとっては正義なのか?目眩がする!弱い人は読んではいけない。恐らく想像力があなたを病ませることになる!日本に生まれたことに感謝しかない‼️🙇
2019/03/21
kaizen@名古屋de朝活読書会
新潮百冊】インドのムンバイ。人口が多く、治安の悪い地方における人間の暮らしの一面を切り出しているのだろうと推測。長期的には戦争状態の地区があったり、宗教上の課題があったり。戦争と文明をどう位置づけるか。日常的な戦闘状態をどう取り上げるか。通訳を通じての取材の限界と、裏を取ることができない状況で著者の直感を読むしかない。英語に翻訳して現地の意見を聞きたい。インドはイスラム文化のハイデラバードにしか行ったことがなくホテルと訪問先は私兵が武装したバスで行き来し一歩も街に出ていない。戦闘状態で何も自分は見てない。
2014/07/14
遥かなる想い
インドのムンバイの現代を描いた本である。 物乞いが憐れみを誘うために 赤ん坊を借りる…描かれる現実は 酷く、辛い。 人は生きるために どこまでできるのか? 目を疑うような インドの路上生活者たちの惨い実態が丹念に描写される。 背後に蠢くマフィアの影が本当に不気味である。路上で生きたラジャのどこか諦めたような 潔さが心に痛い…そんな作品だった。
2022/07/21
ケイ
ムンバイの都市の路地で暮らす人、特に子供達の、血と汚物と膿にまみれた暮らし。全く希望がない。さらわれた新生児は老婆にレンタルされ、人々の同情を引くための道具となる。少年になると身体の一部を切断、または傷つけられ、物乞いしやすい体となり、少女は売られる。牛耳るのはマフィア。それでも彼らはマフィアを恨まず自分達が悪いと言う。思春期になると彼ら自身がマフィア化して同じ事を繰り返す。2000年代の話で、現在のムンバイは都市化が進み、街はアフリカ移民が牛耳り女性達は混血児を産む。少年達は郊外へ。状況は悲惨なまま。
2014/06/17
扉のこちら側
初読。2015年1170冊め。『絶対貧困』を読了済みで、こちらもあらすじはわかっていたのでなかなか手が伸びなかった。貧困と不幸の連鎖が、経済発展の裏に続いている国は多いが、私が知る東欧とはまた違う文化と宗教のインドの一端を感じることができた。ただヒジュラの説明とか、文化背景の説明が不十分な部分もあるし、取材対象の生活をかき回してしまっている点もあるとも思う。
2015/11/29
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