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地を這う祈り (新潮文庫 い 99-5)

地を這う祈り (新潮文庫 い 99-5)

地を這う祈り (新潮文庫 い 99-5)

作家
石井光太
出版社
新潮社
発売日
2014-10-28
ISBN
9784101325354
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地を這う祈り (新潮文庫 い 99-5) / 感想・レビュー

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ころりんぱ

石井さんが取材した世界各地の貧困地域、そこに確かに生きていた人たちの写真と、そこで感じたことをまとめたもの。私が多分一生この目で見ることのない光景。大学一年の時初めての海外旅行でアフガニスタンの難民キャンプを訪れたのだという。びっくり。目を背けたくなる写真も多いけど、知ったからどうにかできるものではないけれど、読みたくなる。多分石井さんが伝えたいことと、この仕事を続けている理由を知りたいからなのです。なんていうか、装飾や嘘がなさそうなのが良いのです。

2015/03/13

kinkin

知るためには現地へ行くことが一番だ。本書に出てくる彼ら、彼女たちに直接会うことが出来るのだから。と考えた。しかしいざそれを見て知ろうとしてもきっと自分の中の何ものかが心の裾を引っ張るに違いない。飢えないために哀れみを乞いわずかな金銭を得てもその途端に、強い者に取り上げられてしまう。弱肉強食とはこのことなのか、いやアフリカの大地を駆け巡る動物のほうが動き回れる分幸せなのかもしれない。最底辺で生活というものから遥かに遠い生を知ることが出来た。あとがきに何かを感じ考えてくれたらという言葉がある。随分考えた・・

2015/01/19

masa

世界各地のスラム界に飛び込んで目を覆いたくなる貧困の実態に迫ったフォト・ルポルタージュ。日本に住んでいる私には全く想像のつかない絶望的な世界が現存することを写真によって突き付けられる。読後の気分は決して良くはないが、臭いものに蓋をせず現実を直視することも大切なことだと感じた。16113

2016/10/16

ヨクト

石井光太さんの途上国のルポ。久しぶりに精神の深層にまで到達する言葉にできない塊を感じた。貧困地における物乞い、売春、ドラッグ、戦争、飢餓、マフィア、障害、疫病の姿を叩きつけられた。他の作品では書き起こされたルポがメインだが、本書では多くの写真も掲載されており、よりリアルに感じるのだ。嫌悪感なのか、罪悪感なのか、認識できない何かにぼくの身体が悲鳴をあげている。そんなインパクトを持った内容だった。

2015/07/19

たまきら

タイトルに惹かれて。ああ、絶対貧困の著者だ。内容は残酷で、祈りなど届かない。救いの手を差し伸べても振り払われる悲しさは「蜘蛛の糸」のようだし、救いを求める手を何度も振り払う、けれど忘れられない著者の醜い誠実さに怒りを覚えたり。露悪趣味、ショックバリュー。なんとでも言うがいい。現実はただそこにある。祈りは著者の希望なのかもしれないが、全く無意味だし、彼のことばも空しい。それでも生きていく力が人間を、自分なりに受け止めたいと思う。

2017/05/23

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