銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)
銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ぶんこ
読んでいると思ったら単行本の「銀座開化事件帖」でした。 題名が変わっていると知らないで借りた本が何冊になるでしょう。 変えないでほしかった。。。
2015/05/15
onasu
明治7年、ご維新の世に乗ずる者とそうでない者が行き交う銀座の煉瓦街。 兄の意向でそこに住むことになったのは、30歳にして隠遁者のような元旗本の次男坊/久保田宗八郎。そこには何れも若い、輸入品店を営む大垣藩主の庶子、耶蘇教書店主の元同心、薩摩出の巡査がいた。 瓦斯灯敷設の見回りを、とのことだが、向後を余生ともする宗八郎には、迷いもあるが、害悪に対しては外連みがなく、周りの人たちをひきつける。妻同然の比呂もそこに。そして、仕上げとも言える行為に…。 シリーズものだが、当時の雰囲気は充分に楽しめた。
2014/03/20
藤枝梅安
「幕末あどれさん」に続くシリーズ2作目。蝦夷から「東京」に帰ってきた宗八郎。峰打ちで倒した相手との遭遇を恐れ、半ば隠遁生活。兄の勧で銀座で暮らすことになる。元大名の血筋の「戸田」の若様、耶蘇教書店を営む、「原」など、不思議な人物が登場。いずれも幕末を潜り抜けてきた人たち。時代の変化に背を向ける宗八郎を温かい目で見守っている。相次ぐ殺人事件の犯人像が浮かび上がる、それは元薩摩藩士、現在は警察の上層部に成り上がったある人物。宗八郎は久しぶりに真剣を手にし、決意を持って単身動き出す。しかし彼は一人ではなかった。
2011/07/02
rakim
当時の銀座の薄暗さと華やかさ、モダンさを空気と共に感じられる文章の洗練は松井さんらしくて大好き。時代に流されていくにしても抵抗するにしても、文明は開化したわけで・・・。残っている因習と新しい風潮のなかの一般庶民の戸惑いを垣間見ることができた気分。敵討ちは成立するの?。。続きが気になります。
2014/01/27
みかん
今となってはハイカラとさえ思える、その当て字が目に美しい。「父娘草」の続きが気になるけど、ここで終わりなのかな。続編「果ての花火」も手元にあるから読んでみよう。宗八郎の冷めたキャラがいまいち掴みづらかったけど、時代背景とか着物描写とか、さすが歌舞伎知識の豊富な松井今朝子さんだ。それから会話と会話に挟まれる地の文が巧い。
2013/12/30
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