脳には妙なクセがある (新潮文庫)
脳には妙なクセがある (新潮文庫) / 感想・レビュー
佐島楓
大変面白かった。文章が読みやすく、理解できずに飛ばしたところはほとんどなかった。人は思い込みに左右される生物だということがよくわかる。単純な動物なのか、複雑な知的生命体なのか……。
2018/02/20
ひよピパパ
脳についての驚きの知識満載の一書。左視野重視の認知傾向があることや、励ましはたとえ意識にのぼらなくても効果があること、「よい経験」が脳の正しい反射(判断)をもたらすことなどなど、人に思わず話したくなるほどだ。またそういったネタが全て科学的エビデンスに基づいて語られているからスゴイ。(根拠となる論文名が巻末に付されている。)「脳を知る」ことは「よい生き方」に繋がると実感させられた。
2023/01/07
ばんだねいっぺい
自分の背中が自分では、見えないように脳ができている以上、まわりの人たちの表情や声を大事にすることは、ほんとうに必要なことだなーとしみじみ感じ入った。嫌悪と恐怖の違い、メタファーが武器となる話を面白く感じた。
2018/02/21
小太郎
この頃読んでる池谷さんの科学エッセイ。脳の不思議な仕組みにいつも驚かされます。一番だったのは自分が動こうとする前にすでに脳から動くための信号が出ていること(そうすると自分の意思は?と考え込んでしまいました)。この本もそういう話満載で興味を惹かれます。例えば楽しいから笑うんじゃなくて笑えば楽しくなる(前後が逆では?)とか音痴の人は空間認識能力が低いとか。これを読むと自分が見ている世界はあくまでも脳を通した仮の世界なんだと実感しました。
2021/09/24
Lee Dragon
科学の進歩により哲学で議論してきた内容がより強い根拠として支持される場合があるが、この本を読んでいて養老孟司、内田樹やメルロポンティの唱えている身体の重要性を再認識した。通常の動物は身体的刺激が脳に入って、アウトプットする、つまり、トリガーとなるインプットも身体的刺激が多いのに対して、人間は身体のインプット無しに脳で入力を完結させてしまう。これを高尚としたデカルトの煽りを受けて、精神>身体という傾向が多いが、実はこれは生物学的には奇妙な話なのである。教育という観点から見ても面白い一冊。
2020/11/22
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