迷子の王様: 君たちに明日はない5 (新潮文庫)
迷子の王様: 君たちに明日はない5 (新潮文庫) / 感想・レビュー
はたっぴ
遂にお気に入りのシリーズが終わってしまった。〝あなたにとって仕事とは何ですか?〟この作品のテーマについて考えながら毎巻リアルな設定に一喜一憂してきたが、あとがきから、著者が将来の社会を見通して計画的にシリーズを重ねてきたことを知り、その先見性に感銘を受けた。昨今のコンプライアンスに関する会社の本音と建前には辟易するし、毎週金曜日を待ちながら仕事するのも勿体ない。自ら発想の転換をするべき時期にこの最終巻を読めて本当に良かった。『未来は常に不確定。死ぬまでずっと連続した、一つの通過点でしかない。』に深く共感。
2016/11/15
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
有りそで無さそなリストラ代行業シリーズ第5弾。遂にこのシリーズともお別れ。最初の頃は「リストラ」が前面に出ていたけど、次第に「あなたにとって仕事とは何か?」「働くことの意義は何か?」を問うことが多くなってきた。勿論生きていくため、日々の糧を得るために働いているのだが、それだけではつらい仕事は乗り切れないし、虚しい。ここに書かれていることは、小説だから綺麗事の世界ではある。だが、自分がそこに存在することの意義というものをもう一度見直してみたいと思えた作品。シリーズ最後に五つ星です。★★★★★
2016/11/17
ゴンゾウ@新潮部
シリーズ最終巻。働くことの意義を問われた。初期の作品に比べて踏み込みが不足して物足りなかった。最後は真介が職を失い新たな人生を模索する。本来ならもっとシビアなはずなのに余裕がありすぎ。最終巻にしては、、。 垣根さんのあとがきでは考えさせられることが多々あった。100歳まで生きる時代を迎え社会参加し続ける準備をしなければならない。
2018/03/04
hatayan
リストラ請負人の真介が活躍する『君たちに明日はない』シリーズの5作目にして最終巻。最終章ではシリーズに登場した人物の「その後」が描かれます。 「あなたが育った環境、学歴。他人と比べてなぜ引け目を感じるのです?」 「年代に応じて本を読み返すたびに新しい発見や感じ方があるように、本当にいいものは最低でも10年経たないと良さが見えてこない。」 「職業も暮らす環境も含めて、今は常に暫定仕様。むしろその無情を意識して過ごすことに意味がある」 揺れ動く働き手の心に寄り添う言葉を受け取ることができる一冊でした。
2019/03/31
佐島楓
今作でも、たくさん大事な言葉があった。わたしは、仕事というものは実利だけを追い求めるのではなく、社会に自分が獲得した能力を還元するためにあるとも思っている。先が見えない世の中だからこそ、信念をもって生きていきたい。
2016/11/04
感想・レビューをもっと見る