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わたしの出会った子どもたち (新潮文庫 草 331-1)

わたしの出会った子どもたち (新潮文庫 草 331-1)

わたしの出会った子どもたち (新潮文庫 草 331-1)

作家
灰谷健次郎
出版社
新潮社
発売日
1984-02-01
ISBN
9784101331010
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わたしの出会った子どもたち (新潮文庫 草 331-1) / 感想・レビュー

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ばちゃ

灰谷健次郎が教師として出会った子どもたち、雑誌「きりん」を通じて知った子供たちの詩。そんな出会いが著者に本当のやさしさと人生を生きる意味とを教えてくれたと著者はいう。彼の反省と後悔も含めた青年時代の記録。自分と向き合うことがどんなに難しく苦しいことか、真のやさしさとは。何度も胸がきゅうっとなりました。まだまだ私には咀嚼しきれません。また読みます。「兎の眼」と「太陽の子」も読んでみます。母の本棚から。

2015/05/14

nobody

素材と高説の間をわざとミッシング・リンクにするという手法への評価は措くとしても、本には答えを示す本と示さぬ本の二種類があり、後者をこれまで認めなかったのは過ちと気づかせられた。最終章である種どんでん返し的に答えが示された。灰谷の読者に考えさそうという戦略にしてはやはりそこへ到るまでの書きようが曖昧に過ぎる。例えば「人間の優しさが持つしなやかな誇りといったものが、人をどれほど豊かにするか」という文の「優しさ・しなやか・誇り・豊か」という言葉は入れ換え可能である。つまりいかにもな美辞麗句と受け取られかねない。

2020/02/08

tono

この書は、凄まじい苦悩と悔恨、再生の手記だ。 ここで示されるのは、血の滲むような魂の叫びだ。虚飾や誇張は一切ない。心の奥底から発せられた、皮を剥いだ皮膚のような、生々しい告白だ。 人間が生きることの根源の問題。懸命に生きた子どもたちの記録。子どもたちが、もともと持っている、魂の生きる力。 「本当の優しさは、一寸先も見えないような孤独と絶望から生まれるのだ」 教訓がましく上滑りすることがない。痛いほどに、心に直接衝撃を与える。 できれば「兎の眼」、「太陽の子」を経て読まれたい。読書って本当に素晴らしい。

2014/12/21

ゴリゾウ

子どもたちひとりひとりが、私に教えてくれた。やさしさと人生の意味を。『兎の眼』『太陽の子』の著者が体験を語る感動の記録。『文庫解説目録』 #1268

1987/06/01

あきこ

作者が教師として出会った多くの子どもたちの心の内を自らの生い立ちを織り交ぜ語った一冊。時代はずいぶん前なので現代から見るとかなりの貧しさを感じるが、その子供の悲しみは今でも、今ではもっと悲痛な叫びとなって誰にも気づかれずにいるものだろう。教師として、また教師を辞めて放浪者として出会った人々との交流は本当に人間的で正直なもの。本書に出てくる子供の悲しみはもっと大きな声で世の中に問いかけてみたいものばかりだった。

2014/11/20

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