エロティックス (新潮文庫)
エロティックス (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
杉本彩責任編集の12人の作家たちによる官能小説アンソロジー。エロティックであることの範囲はかなり広い。古典的な文体の「四畳半襖の下張」や、一見したところは健康そのものでエロティックには見えない太宰の「満願」や谷川俊太郎や江國香織の詩など、なかなかに多彩ではある。官能小説として見た場合、当然のことながら読者によって大きく好みが分かれるだろう。杉本彩の好みによるのか、全体としてはやや通俗的である。あえて1篇を選ぶなら、私はマゾヒスト団鬼六(通常はサディストだと思われているが)の「不定の季節」をとる。
2021/06/19
takaC
(図書館で)借りて読んだ。買わなくてもいいや。編集がちょっと中途半端。
2014/06/29
辛口カレーうどん
官能小説は文章力がないと、おじさん雑誌のエロコラムみたいな感じで、安っぽくなる。ゆえに杉本彩さんは、編集だけにとどめ、作品の掲載はいらなかったと思った。筒井康隆氏などを入れた方が良かったのでは?太宰治氏、岩井志麻子氏は流石。露骨なエロより、妖しく色気ある作品の方が好きだから、全体的にはいまいち。
2016/08/15
葉っぱかさかさ
団鬼六さんって?という疑問から読んでみた一冊。歳のせいか(それしかないだろうな)性に翻弄される人という生き物に対する寂寥感ばかりが残った感じ。杉本彩さんの作品が一番気持ちがわかるというか(笑)懐かしい著者あり、初読みの著者あり、楽しめました♪
2017/07/21
sabato
彩ねー様のブログで出版を知り、そく購入w責任編集って、なんや!?新たな束縛プレイなのか?!って、いやまじめにこの本はいいです。執筆者ももちろんですが、杉本氏が「これはエエ!!」というのがちりばめられています。しかも個人的に好きな作家さん(大先輩の先生も!)の名ばかり。うれしいですね。読み物とエロスがドッキングであります。杉本氏の執筆作品が意外と、いや本当に良かった。永井荷風、石川啄木が「嗚呼、また写してしまった・・・」と反省したのもよくわかる。。
2009/09/28
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