恋人たちの誤算 (新潮文庫)
恋人たちの誤算 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
あああ、どうしてそっちのほうに行っちゃうかな、と人生の先輩(はい、私のことですw)からすると、明らかな誤算をしてしまう25歳のふたり。ふつう唯川さんの小説の中の女性は少なくともラストにもう少し光を見るのだけど、この小説のラストはあまりにもやるせなく、希望の見えない(私見ですが)終わり方で読後感あまりよくないです。せめて小説の中くらいは夢を見たいですよね。
2013/11/19
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恋に走る女と、仕事に走る女。どちらも夢中になりすぎて周りが見えず、どんどん堕ちていく、そんな過程が同じ女として辛くてみてられなかった。二人とも何度も無難でも安定した幸せをつかむチャンスはあったのに。人生なんてどう転がるかわからないものですね。少しの選択の違いで天と地にもかたむく。ラストは何だかんだでハッピーエンドではないけれど、これでよかったのだろうか。確かに女性としてのたくましさは感じたけれど、もう少しすっきりするラストであってほしかったな…。ともあれ、やはり唯川さんの本には教訓がたくさん詰まってます。
2013/07/26
アコ
弁護士事務所事務員の流実子とお嬢様育ちOLの侑里。二人は高校の同級生。侑里が婚約破棄の相談に訪れたことで再会するが、すぐに友情を深めるわけではなく互いが抱える問題を交互の目線で描く進め方。夢追い人との同棲、家業を継ぐため実家へ帰る恋人、上司に文章を盗作された恨み、自身の上昇に色恋を使う、捨てたはずの過去への執着…と決して身近ネタではないのに女性の悩みとして想像に容易い。テンポがよい筆致で読みやすい。唯川さんは性質が異なる二人の女性を主人公とするものが本当に上手いね。
2019/09/02
June
わりとスイスイと読めるので時々手にしたくなる唯川恵さん。女たちの誤算なのか、少しばかり進む道を間違えてしまったからなのか…こんな結末を予想し望んでいた読者の自分がいることに気づく。でも、決して終わりじゃない。どの登場人物の時間もこれからまだまだ続いていく。疲れた時は眠ればいい、十分に疲れを癒してから、それから考えればいい。
2017/07/22
ふろんた2.0
1997年初出なので、性格面は今と違うなと思う。道をちょっと踏み外してしまうんだけど、まだ25歳だしリセットがきくと思う。男たちは二人を振り回していた一方で、ただ利用されてたようなとこもあるので、立ち直れないんじゃないのかな。
2015/09/02
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