霧町ロマンティカ (新潮文庫)
霧町ロマンティカ (新潮文庫) / 感想・レビュー
ワニニ
題名に違わない昼ドラ風とはいえ、珍しく40代男性が主人公で、様々な生き方を垣間見られ、静かな感動がある。鼻持ちならない自信家の男。全て失い、行方不明の父が遺した軽井沢の古別荘に移り住む。男の周囲にいた家族や女性、今関わる女性との関係・愛の物語の中で、彼らの力強い選択を目の当たりにし、軽井沢の自然と特筆すべき迷い犬との暮らしから、山登りにも似た人生を見つめ直し、再生へと導かれる。どうして男がここまで女にモテるのか分からないが、甘美さあっての唯川恵。嫌な奴だった男が次第に味わい深く感じられ、心温まるラスト。
2015/08/27
らむり
中年世代の方は楽しめると思います。
2015/10/17
ざるこ
バツイチ49才の岳夫がリストラに遭い父親が遺した軽井沢の山小屋で暮らしながら自分の生き方を模索する物語。再就職も大手勤めだったプライドが邪魔をする。「金妻」ばりの情事もありつつ、小料理屋、獣医、官僚の妻、元妻に娘、思い悩みながらも決断し自分の人生を掴みとっていく強い女たちに囲まれ生き方を学んでいく。自然の中で肩肘張らず大らかに生きてもいいじゃないか!と言いたくなった。失踪した父親の真相も驚きがあってよかったけど、終盤の老犬ロクとの別れに全部持ってかれてしまう。涙、涙。ここだけでも読んでよかったと思えます。
2019/06/16
Rie
改題前に読んでいたことをすっかり忘れて再読。内容もすっかり忘れていて自分にがっかり。けど後半は思いっきり感情移入してしまった。50歳目前にリストラにあった岳夫。失踪した父が残した軽井沢の古びた別荘で1人生活を始めた。そこで出会った人たちに助けられ、溺れ、密やかに思うところ。そして迷い犬との出会い…。巡り合わせとは。人と土地と。犬とも。鼻持ちならない部分も徐々に変化していき守るべきものが定まった後半は清くも感じた。この本の文庫内容紹介がもっと違ったらよかったのに。
2015/09/09
金吾
○くたびれながらも女性から好意をもたれる中年男性の再出発の話です。思ったよりギトギトしていなくて良かったです。またロクとの関係がいい感じでした。
2022/07/25
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