逢魔 (新潮文庫)
逢魔 (新潮文庫) / 感想・レビュー
じいじ
今までの唯川作品では、断然これがいい。「四谷怪談」「源氏物語」「牡丹灯籠」など古典の名作八編を下敷きにして唯川恵が描いた女の世界、一つひとつの物語が艶かしく、濃密で官能的だ。それが淫靡に感じさせないのは著者の筆力だろう。女の恋への執念、怨念、同性愛、恋敵への嫉妬…などが絡まってのストーリーも面白い。女の手練手管にまんまと乗せられて、翻弄される男の浅はかさは可笑しかった。やっぱり官能小説は、女性作家の作品の方が味わい深くて好きですねぇ。
2017/06/04
ウッディ
牡丹灯籠、ろくろ首、番町皿屋敷・・・なじみの怪談話にエロスを絡めた短編集。怪しく、妖しい雰囲気は、ゾクゾクとします。古典と恐怖と愛って相性いいかも!
2017/07/29
machi☺︎︎゛
ろくろ首、番町皿屋敷、四谷怪談、源氏物語など古の物語を唯川恵が官能をプラスしてアレンジした8つの短編。唯川恵の官能小説は大胆で言葉もストレートで斬新だった。始めは新鮮な感じで読み進めていたけど、官能がプラスされると全部が同じような物語になってきて、途中少し飛ばし読み。最後の源氏物語は面白かった!!
2019/03/30
sin
エロス!古典のしかも“ろくろっ首”“牡丹燈籠”“皿屋敷”“蛇性”“化け猫”“お岩さん”“山姥”“生霊”といった錚々たるメンバーが、その愛欲に身を焦がす。物語に秘められたその赤裸々な交わりが作者の筆で現代に蘇る。愛とは綺麗事でなくお互いに深く溺れ沈むもの…性愛は誕生を司り、その実、死と隣り合わせのものかもしれない。そこに在るひとときの永遠…。
2017/06/19
アッシュ姉
雨月物語、四谷怪談、源氏物語など、唯川流にアレンジした官能とホラーが見事に融け合った短編集。美しく妖しく怖ろしく狂おしい。深い情念にくらくらぞわぞわ。さすが唯川さん、読ませます。巧いの一言。
2020/08/25
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