切れた鎖 (新潮文庫)
切れた鎖 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
彼の芥川賞受賞作はしっくり来たのに、この短編集は難しかった。読点でダラダラ文章を続けていくスタイルも、登場人物の誰もがアウトローな感じなのも好みではない。これが川端康成賞や三島由紀夫賞を取っちゃうんだ…という違和感ばかりを抱えつつ(一応)最後まで読んだ。
2021/01/11
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
☆3.0 『不意の償い』『蛹』『切れた鎖』の3篇を収録。 164頁の薄さなのであっという間に読めてもおかしくないのでしょうが一度中断すると再開するのに時間を要しました。そんな作品でした。
2020/12/29
チアモン
芥川賞受賞作家田中氏の3編からなる短編集。ページ数少ないが読み終えるのに時間がかかった。じっくり読んでいると少し気持ち悪くなった。濃密であり濃厚であり、あまり体調が優れない方にはおすすめしない。・・・けど私は結構好きでした。
2019/09/21
優希
再読です。おどろおどろしさはありますが、世界観に引き込まれます。憎悪の物語というのが圧巻で、憎しみが激しいほど、負のエネルギーに体が絡め取られていくような感覚を味わいました。
2024/07/29
優希
おどろおどろしい感じはありますが、読ませてしまう筆致にただ脱帽です。海峡の漁村をコンクリに変えてしまうということで始まる憎悪の物語が圧巻でした。流れ着くように建築された教会への恨みが強ければ強いほど、その負のエネルギーに体が支配されていくように感じます。それぞれの短篇の設定が想像の範疇を超えているのに何故か体に馴染んでいくのが不思議でしたね。物語に体がしばられていくような感覚を味わいます。決して嫌な感じではないのですが、物語に締め付けられていくのはこの人ならではの力なのかなと感じました。
2014/07/22
感想・レビューをもっと見る