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漱石の孫 (新潮文庫 な 28-2)

漱石の孫 (新潮文庫 な 28-2)

漱石の孫 (新潮文庫 な 28-2)

作家
夏目房之介
出版社
新潮社
発売日
2006-04-01
ISBN
9784101335124
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漱石の孫 (新潮文庫 な 28-2) / 感想・レビュー

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おさむ

房之介さんの漫画やイラストは週刊誌等で目にしたことがありましたが、漱石のお孫さんとは知りませんでした。長男純一さんの息子で直系の男系子孫だけに、多くの反発や苦労もあったんですね。男性だけにプレッシャーを感じる度合いも女性の半藤末利子さんらよりも強かったんでしょう。理不尽に怒ってしまったり、胃潰瘍になったりといったエピソードは、夏目家のDNAを感じさせます。ただ、文章からは房之介さんの飾らない性格がじんわりと滲み出ていて、好感が持てました。

2016/10/23

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

漱石に限らず、偉大な人が身内にいると子供も孫も大変なのだな……ということがよくわかる。常に偉大な祖父と比べられるプレッシャー。異性の子供だと、森茉莉や幸田文のように少し違うのかもしれないけれど。

2017/07/01

猫丸

夏目漱石は父直克51才のときの子。長男純一は漱石40才のとき、房之介は純一43才の時に生まれた長男である。解説の関川夏央によれば「普通の家よりも一代少ない」。昔でいえば親が老年期の息子たちである。そのメンタリティ形成に与る要素としてはいちばん効くところではないか。文豪である祖父に反発を覚えつつも同じ精神構造に気づく。放蕩三昧で気楽に生きた父純一の内面にも想像が及ぶ。漱石の蟄居したロンドンの下宿にて孫の心中に湧き上がる得体の知れぬ感情の湧出に筋道をつけんとするエッセイ。

2021/02/10

たくのみ

90年代に週刊朝日でイラストルポを書いていた夏目房之介さんは漱石の直系の孫。TVの番組でイギリス留学時代の下宿を訪問したときに感じる「なつかしさ」。そして「普遍的な理論で敵を包んで持ち帰ろう」とした漱石の、天才であるが上の挫折と失望。同時に、「産業都市の汚れ具合は耐え難かった」という見方も面白い。楽屋の裏ばなし、プチ自慢が多い感じがして、今となっては読みにくいけど、だからこそ漱石の孫なのかも。

2015/11/12

じゃがいも

孫が漫画家なのでドタバタギャグかと期待しましたが、テレビ番組の制作で丁度100年後にロンドンの漱石の下宿に行ったところから始まり案外真面目な話でした。 漱石の癇癪と家族のエピソード、偉大な祖父のプレッシャー、漱石の潔癖症の気質を受けていること、ハイカラな父の気儘な欧州外遊、漫画文化論などうまい文章で読みやすく楽しめました。

2020/01/05

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