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光の雨 (新潮文庫 た 28-2)

光の雨 (新潮文庫 た 28-2)

光の雨 (新潮文庫 た 28-2)

作家
立松和平
出版社
新潮社
発売日
2001-08-01
ISBN
9784101342023
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光の雨 (新潮文庫 た 28-2) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

「連合赤軍事件」を題材にしたフィクションである。革命に夢を描き、総括と言う名の リンチ殺人事件を繰り返した若者たち… 坂口弘をモデルにした思われる玉井潔という 老人の視点で、2030年に生きる予備校生とその恋人に 語りかける形で、あの事件が 語られる。 暴走する 集団の狂気が 本当に 怖い…そんな 作品だった。

2020/04/01

ゆみねこ

2030年、死刑制度の廃止により釈放された元死刑囚「玉井潔」が語る60年前の事件。若い予備校生のカップルに自分たちが夢見た『革命』とその破局の長い物語を伝えてゆく。連合赤軍事件の全容を知ることが出来る貴重な一書。

2014/04/22

かふ

連合赤軍(赤色パルチザン)事件から約年55年後の2030年に事件当事者の玉井潔(坂口弘がモデル。死刑判決を受けたが2030年は死刑廃止になっている)が浪人生カップルにリンチ事件を伝えよう(精神のリレー)と呆け老人じゃないけど死者たちのイタコになって語りだす物語。近未来小説としては無理がある。なんで2030年にしたのかな。2030年の浪人生カップルがテレフォンセックスとかゲーセンでセックスとか性的エネルギーが溢れているのは全共闘世代の思考だった。

2018/12/29

ブラックジャケット

連合赤軍のリンチ殺人事件が報道されたのは、私が十代後半の頃で、衝撃というしかなかった。メンバーの名前も忘れられないほど。作者も全共闘世代で、連合赤軍事件は避けて通れない課題となったようだ。2030年の死刑制度がなくなった日本が舞台で、80歳代の玉井潔が、若い予備校生阿南満也にかつての過激派活動を語るスタイルになっている。 いわゆる枠小説で本編に至る。そこでも人物によって視点を変えたり、銃そのもののモノローグを加えたり、斬新な構造で、革命が暗転した地獄を描く。小説家が生きた時代を再検証する凄みが伝わる。

2023/07/25

サーフ

実際に起こった「山岳ベース事件」をベースにしているという事もあり、600ページに渡り重たい内容がずっと続いてゆく。リンチ描写は凄惨で読んでいて嫌悪感を禁じ得ない。こういった日本の汚点を当事者から2030年を生きる若者に語り継ぐといった構成で実際に日本で起こった出来事を汚点はそのまま汚点として受け継ぎ、再び同じようなことが起こらないように未来に刻み込まなければならないという作者の思いを感じた。

2020/11/16

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