道元禅師〈下〉 (新潮文庫)
道元禅師〈下〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
榊原 香織
上中下完読。 すべてが真理、全てが修行ーへんかいかってかくさず 享年54歳。 最初は付き人右門の朴訥とした語りがうざかったが、段々なかなかやるじゃん、と。(中国までついてくし、中国語もマスター) 鎌倉殿の13人と時代かぶる。 正法眼蔵の六十四人覚、あれ、八卦掌六十四掌(中国拳法内家拳奥義)と同数。
2022/05/13
Akihiro Nishio
全3巻1500ページの大著もついに終結。本巻は京から越前に逃れ、永平寺建立、北条時頼との席巻、そして入滅までを描く。前半は、楊枝の使い方から用便の処理の仕方まで細々とした作法の解説が続き、読み辛かったが、時頼との会話から「正法眼蔵」の最終巻執筆に至るまでの流れは見事。これこそが禅が求める究極真理なのだという気がした(もちろんわかった気がしただけであるが)。道元は良い意味で育ちが良く、いつも人の縁によって助けられ道をまったく誤らないところが、日蓮や親鸞など他の開祖達と全然異なっていると感じた。
2016/01/17
しょうゆ
大きな旅路を辿ったような心地のする一冊だった。永平寺を建てて、鎌倉での迫力ある席巻、見事だった。最後に楓にかける言葉も沁みた。来世では主従が変わっているかもしれないが、ってすごい境地だなと何気なく感じ入った。読み終わると、道元の足跡、全100巻を目指した「正法眼蔵」という著作、など日本の数少ない宗教的な巨人、思想家だとよく理解できた。ありがたいことである
2021/07/12
水戸
最後にしたためられたものは、わかりやすかった。 繰り返し繰り返し語られていたものが、やさしく簡素な言葉でまとめられていました。修行に明け暮れていた道元さんが、俗世の人と対話をするシーン(因)と処置、そこから生まれた問題と改めてさとすシーン(果)に、なにかが破れ、整うような感覚がありました。……道元さんが、幼い頃より仕えていた右門の健気さが沁みました。
2015/10/28
ANDY
日本に戻った道元が釈迦正伝の仏教を教えるべく、京で他宗の弾圧を受けながら、只管打坐を教え、永平寺を建て入滅するまで。
2014/01/28
感想・レビューをもっと見る