三都物語 (新潮文庫 ふ 25-8)
三都物語 (新潮文庫 ふ 25-8) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
再読して感じたのは、この作品はじつに優雅なものなのではないかという、風変わりな感覚だった。横浜・台中・光州を舞台に、野球に関わる人間たちが、あるいは闇社会に、更には政治的歴史的な闇闘に巻き込まれていくという、結構荒んだ展開の物語なのだが、どことなく気品のようなものが漂っていたような・・・。思い込みかな。金光や東生など、船戸作品には例外的な(?)爽やかさや尻上がりに成長していくキャラクターもいて、ちょっぴり読後感も良かった。船戸作品にしては、だけどね。
2016/02/26
しゃんしゃん
初読。面白い。本格的ハードボイルド作家の冒険小説・・・と解説者は位置づける。プロ野球で繋がる連作。日本、台湾、韓国それぞれの国の現役、元選手、監督・コーチと老スカウトが物語を彩る。清々しい高校球児、華々しいスター選手、保身と謀略の監督、野球賭博に絡む暗黒街の黒幕、公安の暗躍と政治、まさにオンパレード。カネがすべてのブロに恩義・信義は通用するのか?三国で巻き起こる様々な出来事はあり得ることと思う私は何か勘違いしているのだろうか?
2016/06/23
カワセミ440
図書館で見つけた本。船戸さんが野球小説?でもそれで、それだけで終わる訳無いよね、船戸与一さんだから。10年以上前の話だけど、それ程古さは感じないな。あの頃から急にメジャーを目指すアジア人が増えたんだっけ?NPBで食えない選手が台湾や韓国に出稼ぎに行ったのはもっと前からだな。在日二世投手ってなんとなく新浦を思い出した、キャラが違うけど。民族の宿命って、それを背負うってどういう事なんだろう?野球以前に政治に引っ張られる台湾や韓国の選手なんて現実にはいないんだろうけど、でもホントにありそうな感じが船戸作品だね。
2015/11/30
東森久利斗
己の武器だけを信じ戦い続け逃げることを知らない誇り高き不器用な男たち。交差する人生の光と影。結果が全ての残酷な世界、結果と勝負を越えた崇高な世界。これぞ、男の美学、ハードボイルド。
2019/08/12
なっく
船戸さんにしてはあれれ?、という感じ。 最後の盛り上がりを期待していたんだけどな。 普通の作家ならOKですが、船戸さんなので星一つ。 辛すぎるかな?
2006/12/02
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