群狼の舞 満州国演義三 (新潮文庫)
群狼の舞 満州国演義三 (新潮文庫) / 感想・レビュー
カムイ
満州国建国後、敷島兄弟の立ち位置が徐々に浮き上がるそして間垣徳蔵の暗躍により関東軍の暴走が出始め泥沼に突入する、満州で起きた事件は詳細は知らなかったし日本人がしてきた過酷なしうちは目にも余る、次郎の決然とした態度は日本人の誇りである、今後の4兄弟の先行きには気になる末弟の四郎は心配であり、操り人形に成り果て命を落とさないで欲しい。
2020/03/18
マムみかん(*感想記入少なめです*)
第三巻。 満州国建国から国際連盟脱退まで。 国造りにロマンを感じ始めた太郎、国家や民族に捕らわれることなく自由に生きようとする次郎、純粋な気持ちで任務を遂行する三郎、ますます泥沼にはまっていく四郎…。 この辺りの歴史は授業ではほとんど習わないので、小説とは言え勉強になり、興味深く読めますね。 でも、他国への侵略、軍部の横暴等の描写は辛い~! ラストの悲劇は、満州国のこれからを暗示しているようでした☆
2016/01/30
ヨーイチ
長い長いと愚痴りたくなる。こんなに長いのは、北方の水滸伝以来であろうか。独特の古い言葉と登場人物が思い出せないままに、気がつくと惰性で読み進めている。読みたいと思っていた題材で色々と面白い描写も有るのだが、ここまでの印象は単調の一言。結局は歴史の年表の記載事項毎に各主人公が遭遇して行く事の繰り返しなのだと気が付いた。但し、その追い方は全く律儀で「余す所なく」出来事の記述が延々とつづく。読み終わったら、「満州国」の全体像の様なものが形成されているかもしれない。続く
2016/02/16
kinnov
『国家を創りあげるのは男の最高の浪漫だ』の台詞に全てが表われている一巻。浪漫は人を熱くさせ、狂わせ、理想を語らせ、醜悪な欲望をたぎらせ、本性を顕にする。その瞬間に立ち会えていたら、長男太郎のようにいつの間にか浪漫の虜に間違いなくなっていただろう。成り立ちが謀略に塗れたものだとしても。当時市井の庶民だったとして、未曾有の不景気の中、満州の可能性に胸を熱くせずに、『理性的に』その欺瞞を指摘できたとは思えない。さらりと語られる内地の市民の反応こそが、突きつけられる現実だ。今を呑気に生きる私に批判なんてできない。
2017/01/05
ロデタ
満州の建国宣言がされたが、ただ侵略しているようにしか感じられない。資源をものにしたかったんだろうけど破滅に向かって突き進んでいるかのような印象。日本人の驕り高ぶった振る舞いはなんなんだろう。相変わらず会話の中の「で?」「それで?」が多くどうしても気になってしまう。そんな相槌なしで喋らせればいいのに。最後の明満は残念で可哀そうだった。
2021/09/26
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