大地の牙 満州国演義六 (新潮文庫)
大地の牙 満州国演義六 (新潮文庫) / 感想・レビュー
カムイ
満洲国演義も六巻、第二次世界大戦までのカウントダウン後戻り出来ない状態になってしまう。架空の主人公達、敷島4兄弟は満洲国、欧州を定点カメラのような視点で戦争の悲惨さを伝えている、そして流れに身を任せてしまうどうしようもないクズになり果てしまう、日本が戦争と突き進むのと4兄弟はその当時の日本国民とリンクしているのではないか、軍、メディアにより国民はファシズムへと傾倒していくのは、ナチスの国民統制と同じである。ドイツ、ソ連不可侵条約の密約にはノモンハン事件を引き起こす原因があったことは関東軍の無策は酷すぎ→
2021/05/19
マムみかん(*感想記入少なめです*)
第6巻。 敷島4兄弟の周りに、身近な死者が増えていきます。 それは、もう、容赦なく、呆気なく(泣)。 時代はノモンハン事件、ナチス・ドイツのポーランド侵攻、第二次世界大戦前夜へ…。 志よりも自分たちの権益やプライドを優先させる高級官僚や軍の上層部が、事態をどんどん取り返しのつかない方向へ進めているのがよく分かりました。 無聊に耐えかね、ダークサイドへ行ってしまった次郎兄さんが心配~~☆
2016/03/30
ヨーイチ
ヤバイ、文庫版の発刊に追い付いてしまったかも。これ以降どうしましょ。この回は汪兆銘の南京政府を何とかでっち上げたものの、欧州での独ソ不可侵条約に慌てふためいていた頃。あと有名なノモンハン事件が起きている。ソビエトの戦車群に対して火炎瓶で対抗した兵隊が哀れ。レポートは憲兵の三郎君。四郎はとうとう慰安所の性病検査助手という哀れな境遇を次郎に助け出され、晴れて満映に就職。早速昔の女が現れて同棲が始まり、甘粕所長の元で映画制作に携わる。良かった、良かった。続く
2016/03/12
kinnov
シリーズ全体の主役、歴史が大きくうねり、敷島四兄弟がそれぞれ変節していく巻。圧倒的な流れに対して、己の無力感に若い女との性愛に溺れ、無聊を気取るも利権者に都合よく使われるだけに成り下がり、花形憲兵隊尉官でありながら軍の限界を感じ完遂できなかった復讐に虚無感を覚え足元が揺らぎ始め、ただただ無気力に現状を受け入れるだけ、末っ子の四郎以外は物語の始まりから随分遠くに来てしまった。彼らと共に物語を歩んでいて、段々とつらくなって行く。欧州では大戦に突入し、アメリカが参戦してくるこの先、どんな虚無が待っているのか。
2017/01/25
てぃと
ノモンハン、汪兆銘政権樹立...と、歴史は更に動き出しました。多くのレビューにあるように私も次郎の行方がとても気になります。馬賊の頃の自分を捨ててどうなっていくのかと思いきや、やっぱり堅気にはなれないようですね。20年振りに会った弟四郎のために特務機関員を脅しつけるところに、次郎の男気とカッコよさを感じます。頼れる兄です!
2016/08/13
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