人生、成り行き―談志一代記 (新潮文庫)
人生、成り行き―談志一代記 (新潮文庫) / 感想・レビュー
鉄之助
談志が全幅の信頼を寄せていた演芸評論家・吉川潮が聞き上手だから、談志の本音・本質がスルスルと出てくる”談志一代記”となっていた。出色は、沖縄開発庁の政務次官を36日でクビになったくだり。2度目の選挙で参議院議員に当選するも、沖縄視察の際に”二日酔い記者会見”でその職を棒に振った。しかし、この経験があったがために落語に”開眼”。「演者の人間性を丸ごとさらけ出す。これこそが現代の”芸”」だと言う。『談志ひとり会』の復刻盤DVDを、無性に見たくなってしまった。→ つづく
2021/02/08
うりぼう
なんで対談を読むのにこんなに時間がかかったのだろう。生活のペースが落ち着いていないにしても、不思議。進ませない何かが、ここにある。自分と対極にある知性と狂気への羨望か。切れすぎるのも、感度が良すぎるのも、生きるが大変なのだろう。ご本人が言うように「落語」という場があったから良かった。独特の語尾「…ですナ」「…でね」「…かと」など、家元の正論をいう時の斜に構えた感じ、シャイなイメージが浮き上がる。第4回だけが、妙に素な感じで、私は一番好きなところ。志の輔を含めた対談は、彼の認識を改めさせる。家元、お元気で。
2011/04/20
kinupon
談志師匠の生きざまですね。対談形式ですが、若かりし頃の話が面白いですね。
2019/05/06
MURAMASA
立川流に興味を持ったのは、その昔コミックモーニングで連載していた立川志加吾の『風とマンダラ』がきっかけです。『赤めだか』や『雨ん中の、らくだ』など立川流の落語家によるエッセイなども読んで、彼らの中に大きな存在としてある「家元」立川談志という人物に対する興味はどんどん大きくなりました。静山社の「談志の落語」シリーズも読んではいるのですが、本書は立川談志が自身の半生を聞き語りの形で著したもの、その為人は作品を読む助けにもなるだろうというくらいの気持ちで読み始めましたが、そんなスケベ心は忘れたように 続
2010/12/12
ぺぱごじら
落語の大ファンではないから、芸がどうとかは余りよく分かりません。落語は好きですが、関西出ですからベースは上方落語です。ぼくにとって『立川談志』という方は、時々出てきてチョロッと正論を喋ったり、逆に無茶苦茶を言ったりする面白いおじさんでした。世の中に一人は居て良いけど二人は要らないし、近所に住んで欲しい人でもない(笑)。そんなぼくが敢えてこのおじさんの功罪を挙げるなら、お蔭で落語が『伝統芸能』に堕することなく楽しめる『芸』であり続けてくれたことと、この方の猿真似をする薄い芸人が後を絶たないこと(苦笑)。
2012/03/27
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