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対話篇 (新潮文庫)

対話篇 (新潮文庫)

対話篇 (新潮文庫)

作家
金城一紀
出版社
新潮社
発売日
2008-06-30
ISBN
9784101351513
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対話篇 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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❁かな❁

いっぱい涙が溢れた。金城一紀さんの作品初読み。死を前にして向き合う人々。真摯な語り口で淡々と語られていく。「恋愛小説」「永遠の円環」「花」の3編。断トツで「花」が素晴らしい。このお話が最後で本当に良かった。切ない恋、大切な人との記憶。忘れたくない、忘れられない想い出がある。とても大切な記憶があり、街中で想い出のお花が咲いているのを見ただけでキュンとする。「本当に愛する人ができたら絶対にその人の手を離してはいけない」後悔しないよう話したい、会いたい気持ちを大切にしたい。予想以上に泣いてしまった。素敵な物語。

2018/09/29

おしゃべりメガネ

最近ハマった金城さんの短篇集です。う〜ん、とにかく文章が素晴らしく美しいですね〜。サラサラっと何気なく書いてるようですが、結構シリアスな表現だったりと、まるでマジシャンのように綴り続けています。3編からなる短篇集ですが、個人的に特筆すべきは『花』で、とにかく素晴らしいの一言につきる作品でした。若い頃に別れた妻が亡くなったと聞き、余生を過ごした地へ旅に出る弁護士さんと、難病を抱えて生きる希望を失いつつある青年のコンビかひたすら南を目指し旅をします。道中で亡くなった妻のことを語る弁護士に涙があふれました。

2017/09/10

chiru

『相手が生きていても会わなければ「死」と同じ』という言葉が印象的。 話を聞いてほしいときだれの顔が浮かぶだろう。 大切だと思う人と、会って話す。ただそれだけがどんなに幸せなことかを教えてくれる短編集。 余命わずかな「僕」が運転手のバイトで不思議なドライブをする『花』に号泣でした。 ドライブ中の対話を通し、現実から逃げずに残された明日のために前を向くことにした「僕」。 大切な誰かがいることの大切さ、それは当たり前でも普通でもないことをあらためて再認識させられる、温かく切なく清々しい物語。 ★5

2018/11/03

名古屋ケムンパス

秀逸です。中編の三作のいずれにも心に沁みこむ深い情緒を抱かせる言葉が鏤められています。最終編「花」を読み終えて得た静かな感動が、読書する喜びに浸る幸福感をもたらしてくれました。それにしても最終編は素敵です。最初で最後の恋であって、愛おしくて、愛おしくてならなかったのに添い遂げることのできなかった不器用な弁護士の鳥越氏。忘れな草に込めた妻の思いがどうしようもなく、切なくて、切なくて、レビューを書きながら、なお眦が濡れています。

2016/03/27

みっちゃん

3編とも違う人物の物語なのに、エピソード、設定、小物等が何となくリンクしていて不思議な気持ちにさせられます。自分に与えられた酷く辛い運命は変えられないけれど、それを対話しながら受け入れてもらう事によって、語り手・聞き手共に自分の内面を見つめ直して昇華させる事が出来たのかな、と思いました。3人とも、ただひたすらに1人の女性を愛し続けた事にも胸を打たれました。味わい深い本でした。

2013/04/23

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