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流れ星が消えないうちに (新潮文庫)

流れ星が消えないうちに (新潮文庫)

流れ星が消えないうちに (新潮文庫)

作家
橋本紡
出版社
新潮社
発売日
2008-06-30
ISBN
9784101351810
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流れ星が消えないうちに (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

ものすごい登録数に今さら驚き。多感な時期にそれぞれ恋人と親友を亡くしたふたり。学園祭でプラネタリウムを作っていた加地くんが素敵。残念ながらこういうのが響く年齢は過ぎていて、むしろ奈緒子の両親の今後が気になって仕方なかった。あー、蛇足。フェミニズムの観点からムカつく描写あり、でもまぁそれは別の話。

2024/03/25

風眠

あの頃と今を行きつ戻りつ、最愛の彼を亡くした奈緒子と、その彼の親友で奈緒子の今彼の巧の目線で、亡くなった彼のことが語られていく。「半年前から、玄関で寝ている」という書き出しで始まる物語。ドラマチックな何かがあるわけではないけれど、ゆるやかで淡々とした日常の中に訪れる慟哭、そして「これから」を生きようとする奈緒子と巧の選択に心打たれる。死者を忘れるのではなく、胸に残すことを選んだ2人。間違っているかもしれない、間違っていないかもしれない。プラネタリウムの流星群に祈りを込めて、2人はこれからも生きていく。

2014/01/07

kishikan

高校で出会った3人。恋人だった彼は、突然の事故で亡くなってしまった。その彼の友だちが、今の恋人。忘れられない思い出を彼も彼女も抱きながら、少しずつ自分達の人生を歩み始めている。人は過去を変えられない。変わるのは自分だけだ。でも思い出は、ずっと過去のままだし、それを今も引きずって生きていかなければならない。プラネタリウムの流れ星に願いを込めるシーンに、生きるということへの想いが伝わってくるようだ。それと、文庫版の重松清の解説がまたなんとも言えない感動を呼ぶ。

2009/09/14

おかむー

ファーストコンタクトの橋本紡作品は、ウエットなものを含みつつもさらりとした印象。かといって浅いわけでなくしっかりと『残る』好感触だった。『たいへんよくできました』。変わることのない“あの頃”として奈緒子と巧の間に残り続ける加持。“今”を生きるふたりと奈緒子の父、妹、山崎先輩。皆が迷い、傷つき、無様でももがき続けそして歩き出す。思い出をわすれることはできないけれど、それでも時は流れ日常は続いてゆく。留まり続けることのできない現実が、なにげない会話のひとつひとつを穏やかなのにどこかせつなく染みさせてくれた。

2014/08/05

masa@レビューお休み中

大好きで大好きで、とても大切な人が、ある日突然いなくなってしまったら…。しかも、自分の手の届かないところで消えてしまったとしたら…。それは、考えるだけでも恐ろしいことである。いくら想像しても、現実に起きてしまったら、そんな想像も簡単にくつがえすような、巨大な悲しみが全身を覆いつくすに違いない。死というのは、誰にでも平等に訪れるものである。でも、だからといって、大切な人の死を冷静に受け止めることができる人間などいやしない。忘れようとしても忘れられない。ここにいなくても、心には強く重く存在し続けるのだから…。

2014/02/01

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