空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― (新潮文庫)
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空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― (新潮文庫) / 感想・レビュー
やすらぎ
57編の詩集。閉ざされた心の扉を少しだけ開けた少年。詩を書いたこともないからこそ生まれる、宝石のような言葉。感情をあたりまえに表現でき、受けとめてくれる誰かがいることが、更正への第一歩。…印象的な詩「ゆめ」…ぼくのゆめは・・で終わる絶句した心。強い自らへの問いかけ。明るい言葉にも闇が見え隠れする。…これからは今を生きていく自分でありたい。そう言う少年は恥ずかしそうにうつむく。不完全な自分の弱さを認められたら、きっと人生はもっと楽になる。…伝えるためにある言葉が伝わらない現実を知り、壊れた心は目覚めていく。
2021/10/26
あきら
感動しました。 言葉の力ってすごい。自分にも子供がいるので色々思うところがありました。 読んでよかった。
2021/07/09
真香@ゆるゆるペース
奈良少年刑務所の更生教育の「社会性涵養プログラム」から生まれた、受刑者達による57編の詩集。犯罪に手を染めた人が書いたとは思えない繊細でピュアな作品からは、彼らの優しさや苦悩が垣間見える。上手に書こうという作為がない分、飾らない率直な言葉が心に刺さった。彼らを色眼鏡で見る前に、非行に走らせたのは我々大人や社会の責任もあるということを考えなくてはね。母親の詩が多いけれど、やはり愛情に飢えていたのかな?私にも息子がいるので、何だかいろいろ考えさせられた。彼らが罪と向き合い、成長と共に更生することを願うばかり。
2021/05/16
❁かな❁
奈良少年刑務所の更生教育の「社会性涵養プログラム」から生まれた作品を中心にまとめられたもの。詩などを書いたことがなかった彼らから生まれてくる言葉の純粋さ、心の美しさに何度も涙。何らかの事情で罪を犯してしまった少年たち。心を閉ざしていた少年たちの閉ざされた心が少しずつ開いていく。詩を書いた背景、それを聞いた教室の仲間たちの温かい言葉にすごく心が揺さぶられ泣いてしまった。人に対してこんなにも優しい言葉をかけることができるなんて。本当に感動。少年の想いにまた涙が溢れた。沢山の方に読んでもらいたい作品。
2019/10/03
Aya Murakami
新潮文庫の100冊2020 言葉の純粋さ…。この本を作った人は気づいていないかもしれないですけど、少年犯罪者さんたちは大人を欺くテクニックを日々磨いているなのだと思いますよ。うちの通っていた中学校の不良たちも目下の同級生にはひどい態度を示しますが、親先生にはとてもかわいらしくふるまっていましたから。本当にずるがしこい方々です。 タイトルの意味は本作を読むと分かります。施設内での態度が良ければ青から白になって待遇がよくなるのだとか?青は中間の待遇らしいです。
2020/11/21
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