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向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

作家
道尾秀介
出版社
新潮社
発売日
2008-07-29
ISBN
9784101355511
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向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ehirano1

映像ではなく読書だけでしか味わえないカテゴリーの内容でした。そういう意味では、”読書”という行為を逆手に取って、読者を読書にどっぷり引き込む著者の作戦勝ち。まあ、とにかく伏線とその回収が見事すぎます!読後の重苦しい疲労感と驚愕感、そしてまさかの解放感はハンパないです。

2019/01/12

サム・ミイラ

まるで悪夢を具現化したような怪作。テーマもストーリーも私の好きなパターンだったのだが話は上手く繋がってないような、例えばミチオの後半の極端な変貌ぶりや思わせぶりな記述、強引にミスリードを誘うような書き方はどうかと思うが、初期の作品ということもあり怖い物知らずな突っ走り方も大きな魅力であり、後の片目の猿や龍神の雨などに繋がる事を思えば、実に初々しく才能の開花を感じさせる重要な作品だと思う。特にこの怪談的オチは誰かに語り聞かせたくなる日本ならではなダークファンタジー。でも語っちゃダメ(笑)

2014/08/19

ちょこまーぶる

大変面白く、不思議で、背筋がゾクッとする一冊でした。読んでいて次はどうなるんだろう?という感覚が常に付きまとってしまうような展開で、死んだ人が虫となって生き返り、それを瓶の中で生活させてしまうなんて、想像を超えた内容でしたね。そして、学校の先生、お爺さん、お婆さん、S君、犬、妹のミカ、両親、そして主人公のミチオ君(道尾さんのミチオ?)等が全員普通じゃないと言うのが素晴らしいし、小学生でこれ程までの異常性をもった主人公たちを登場させるという驚きのキャラクターに終始翻弄された思いがします。暑い夏の夜に最適!!

2014/08/19

遥かなる想い

感想でひと事で言うなら気持ち悪かった。このミスで取り上げられ、いつかは読みたいと思っていた本だったが、設定が私の趣味に合わない。小学校のS君が首を吊り、昆虫に生まれ変わり…という始まりから心が離れていた。物語の展開の意外性、岩村先生やお爺さんの不気味さなど、筆力は感じられるが、筋があまりに 荒唐無稽すぎて私は好きではなかった。

2011/02/26

鉄之助

この”夏”に読めてよかった。「みんな物語をつくるんだ。~思い込んで生きている」。それは、いつまでも後悔や失敗を引きずっては生きていけないから。自己防衛反応に違いない。私にも、同様の経験がある。「見たくないものを見ないようにして、見たいことはしっかり覚えこんで…」。荒唐無稽とも思われる展開もあるが、面白すぎて一気に読み進めた。「自分自身に対する怖ろしさ」に反発する行動、いじめ問題の根本的な構造も、明かされる。私だったら、もし、生まれ変わったら、何になりたいかな? 自問自答の夏だった。

2021/09/01

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