月の恋人: ―Moon Lovers (新潮文庫)
月の恋人: ―Moon Lovers (新潮文庫) / 感想・レビュー
nobby
月9キムタク主演ドラマ原作は、道尾さんらしくないけど道尾さんにしか書けないラブストーリー。あとがきでの本人の言葉による「映像化できることを前提」とした小説に納得。いわゆる黒に白にみられる闇や不憫はほぼ描かれず、あくまで印象はとことんピュア(笑)大人の男女が各々の立場で些細な嘘を重ねるも、そこに不幸のどん底は訪れず苦難も日常の範疇なのが心地よい。そんな映像の作り手からの要望に合わせたテンポよい物語をサラッと読みやすく綴る器用さはサスガ♬ただ、あくまで別物として楽しむ趣向は個人的には2度目はなくてもいいかな…
2020/10/02
aoringo
仕事を辞め、やけくそな気持ちで渡った中国で全ては始まった。とても丁寧に描かれたラブストーリー。それだけでなく友情や人として大事にしなければいけないこと、日々の雑事で忘れかけていないか自分自身を振り返ったりした。読みやすい文章で読後感も抜群。帰国してからの主人公の急なモテ期は確かにTVドラマっぽい。もどかしいくらい遠回りをする二人の行方をそわそわしながら見守りました。大きな盛り上がりがあるわけではないけど、温かで癒される作品で良かったです。
2022/05/25
tengen
ミステリーでもホラーでもなくどんでんがえしもない道尾作品。 ドラマのようだなぁ、と思いながら読みま終えましたが、 著者のあとがき読んで、ホントにドラマのための書き下ろしだったと知りました。 ☆彡 サラリーマンから高級家具の会社を興し、上海に進出するまでに発展した「レゴリス」 その敏腕で会社を大きくしてきたが、何かが狂い始める。 弱り切った蓮介は弥生を追い北海道へメロン修行へ向かう ☆彡 居酒屋おんちゃんの巨大明太おにぎりを食べてみたい。
2015/09/15
アイゼナハ@灯れ松明の火
映像化できることを前提に書かれた初の道尾作品なのだとか。で,この読みやすさ,爽やかさは一体何としたものか…思わず,惚れてまうやろっ!!と叫びだしそうになりました。いつもの(?)どこか後味の悪いものの先にある美しさといった世界もよいのですが,平凡な世界の中にある美しさもこんな風に描き出せるんだ…と思うとゾクゾクします。ま,新興企業の青年社長と前の会社に愛想を尽かした元派遣職員に,謎の中国人美人モデルの出てくるお話を平凡な世界と言っていいのかという問題はありますが(笑) 素敵なお話だと思いました,ハイ。
2013/03/14
三代目けんこと
久しく月9ドラマを見ていないが、本書を堪能することで、見ていた頃の時代を懐かしく感じることができた…。
2021/04/21
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