KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

貘の檻(ばくのおり) (新潮文庫)

貘の檻(ばくのおり) (新潮文庫)

貘の檻(ばくのおり) (新潮文庫)

作家
道尾秀介
出版社
新潮社
発売日
2016-12-23
ISBN
9784101355566
amazonで購入する Kindle版を購入する

貘の檻(ばくのおり) (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ミカママ

長野県の山あいの村落が舞台になった、ヘビーなミステリー。ムラ社会のおどろおどろしさ、読みづらい方言が、物語に厚みを与える。真相に迫るまで、幾重にも巻かれた薄皮がはがされるようなサマは小気味良いのだが、作りこまれすぎな感もあった。読み応えは充分。

2017/03/24

雪風のねこ@(=´ω`=)

初読。だからか夢の部分も興味深く読めた。夢枕獏著作に雰囲気が似ているからかな。人の意識ってのは全体で繋がっているのかも知れない。だがジャンピング平伏の描写はどうかと思った。頼りなく見えた彩根が素晴らしい活躍を見せるのが良い。俊也の最後の台詞も救われる。人は誠実に生きなければならない。一度一線を越えてしまうと、感じてしまう負い目が途方もなく大きくなり、ほんの少し言葉の取り違えであっても、自らを追い込んでしまう。貘さえ飲み込んでしまう化け物とは、正にそれであろう。

2017/10/26

nobby

久々な黒道尾作品を堪能♪32年前に人を殺した挙句に水死したとされる父親の真実、そしておどろおどろしい夢の意味するところは何なのか。何とも閉鎖されたムラ社会の中での様々な闇を、これでもかと暗鬱な雰囲気で描くのは流石。各章の結びに挟まれる夢の描写が効果的だが、方言やらが分かりにくく少し残念…後半ようやく明らかになる真相は些細な思い違い・勘違いの積み重ねが生む悲劇ばかりで哀しく切ない。それでも愛すべき息子の存在を確認でき、生きようとするラストに読後感は悪くない。

2017/04/07

イアン

★★★★★☆☆☆☆☆村社会特有の陰湿さを纏った道尾秀介の長編。32年前に父が殺したと思われていた女が、目の前で轢死する。謎を解く鍵を求めて長男と共に因縁の地を訪れた辰男だったが、そこで忽然と長男が姿を消し…。なぜその女は突如現れ、死んだのか。「過去の事件と現在のリンク」「ホラーな世界観」は好きな題材なのに、方言や幻想に理解が追い付かず苦戦した。発端となったある密約や、自死する人物が滔々と遺書を書き連ねる展開にも違和感。『雷神』を先に読んでしまい、重要な容疑者の一人が嫌疑から外れてしまったのも勿体なかった。

2023/08/21

JKD

第一部では不可解な事象が多くて危険な香りがプンプンするし、悪夢の描写は気持ち悪いし、方言は分かりにくいし・・第二部に入ると、謎の原因が実はとんでもない勘違い、思い込みによる悲劇の連鎖であることが判明。誤解したまま死を選ぶって、やっぱ悲しいですね。

2017/01/08

感想・レビューをもっと見る