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青年のための読書クラブ (新潮文庫)

青年のための読書クラブ (新潮文庫)

青年のための読書クラブ (新潮文庫)

作家
桜庭一樹
出版社
新潮社
発売日
2011-06-26
ISBN
9784101356815
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青年のための読書クラブ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ちはや@灯れ松明の火

乙女たちよ、書を持て、そして青年たれ。清らかな楽園の辺境の地に佇む赤煉瓦ビルに巣食い、息を潜めるが如く終日読書に耽溺する南のへんなやつ等。友よ此処に集え、異端であることを恥ずるべからず。学び舎を築きし聖女は姿を眩ませ、漆黒の翼持つ王子は魂を惑わせた、やがて闇へと葬られる歴史の汚点。扇子が巻き起こした革命の嵐を、緋文字で彩られた熱情の宴を、権力に阿るも抗うも潔しとせず、ペンを手に取り語り継ぐべし。誇り持て、百年の光に蔽われた影の下に、彼等の涙と絆と闘いが存在したことを偲ばん。我らが読書クラブよ、永遠なれ。

2014/04/15

いりあ

伝統あるお嬢様学校"聖マリアナ学園"にある異端児達が集まる"読書クラブ"が密かに守り伝えてきた学園の黒歴史を綴った連作短篇集。女子校が舞台なので、甘々な雰囲気かと思いきや、今回の舞台は異端児達が集まる"読書クラブ"。一筋縄ではいきません。どの話も一見クールだったりおとなしかったりする彼女たちがときおりかいま見せる少女性が印象的でした。文章やセリフが時代がかった演劇みたいな言葉づかいなのも作品の雰囲気にあってます。"聖マリアナ学園"の形が変わってしまっても"読書クラブ"は永遠に不滅です。

2013/06/04

はらぺこ

レイ・ブラッドベリの『火星年代記』とか小川洋子の『密やかな結晶』を読んだ時の感じに似てた。何かを風刺してる感じやから似てる雰囲気を味わったんやと思う。 最後の「バーレスクとして~」ってのも含めて1つの作品?解説と思って読んでたら「2022年5月」やし。 読み易かったので他の桜庭作品も読んでみたい。

2011/09/13

sk4

「あらぶる乙女 魂のクロニクル」とはまさに(笑) 人物の内面的セカイを描き続ける桜庭一樹が今作では、人ではなく【学園】という有機体のセカイを描く。 聖マリアナ女学園内でアウトカーストと見なされる【読書クラブ】こそが学園のペルソナに隠れたるゲノムなのだという、百年にわたる物語。 『赤朽葉家の伝説』では時の流れとともに魔力が失われていく寂寥感が物語を覆いつくしていたのに対し、本作では時の流れは黒い終末をもたらすものではないという光を感じる。 最後の、解説にかえた魔女的な語りで幕を引く演出もGood! 良作。

2013/09/30

ゴンゾウ@新潮部

青春小説のジャンルに入るのだろうか。キリスト教系の女学校の読者クラブを舞台にした連作集。毎年学園祭で選ばれる王子の座を巡って沢山のクラブが争う。女学校ならでは雰囲気が漂っている。普段は大人しく目立たない 読書クラブにも時には学園を揺るがす王子候補が誕生する。思春期の女学生達の生態がリアルでした。そして各物語の時代背景も巧みに盛り込まれている。ファンタジー色豊かな作品だった。

2017/08/19

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