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とかげ (新潮文庫)

とかげ (新潮文庫)

とかげ (新潮文庫)

作家
吉本ばなな
出版社
新潮社
発売日
1996-05-29
ISBN
9784101359120
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とかげ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

ばななさん真骨頂の再生モノ短編集です。出てくる人間の闇な部分の描写もリアルで、ばななさんはホンワカものばかりではないんだなと改めて敬服しました。どの作品もどこか陰のある人物を軸に書かれてますが、不思議と読んでいてダークなキモチになることはなく、むしろ「あるある、わかる」とスキッと共感連発です。表題作「とかげ」の不思議な主人公の魅力は満載で、「キムチの夢」は儚くもなんか笑ってしまいます。そして何より秀逸なのは「大川端奇憚」で、とにかくエンディングが素晴らしすぎで、久しぶりにジワ〜っときてしまいました。

2015/06/16

ヴェネツィア

表題作を含む6つの短篇を収録。いずれも、どこかクールな抒情が漂う。およそ、若い女性につけられるニックネームとも思えない「とかげ」は、そのつかみどころのなさと、いい意味での冷やかさが独特の世界を作り出している。後に改作された「ひとかげ」では、どんな変貌を遂げているのか楽しみだ。他の5篇も素材は違うが、なにがしかの共通項を持っている。あるいは、「血と水」にいう「生きているかぎり続くそのかなしみ」という言葉が、この短篇集に共通する性格であるかもしれない。

2012/06/25

ミカママ

気が付くと再読だった。あっさり読めたのでよしとする。ご本人のあとがきにあるように、どれも癒しと時間と運命、宿命の物語だそう。すてきな表現がたくさんあった。ばななさんはほんと、女心を描かせたら上級だよなぁ。

2013/03/31

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

ばななさん初期の6篇の短編集。 どれも叫びたくなるくらい差し迫ってくる心象風景。車窓から通り過ぎる街並み、地元の駅の仄かな賑わいたち。どこまでも透明に透き通る秋空。夜に煌めく店の灯りたち、いつも風景の片隅で静かに流れる川の水の気配。そういうものだったりが、いろんな関わった人の善意と悪意とないまぜに自分だけの景色になる。そういうものたちが、時を重ねあった人たちが、少しずつわたし達を強くする。 収録作品: 新婚さん/◎とかげ/◎らせん/キムチの夢/◎血と水/大川端奇譚 「たとえて言えば、気持ちのいい春の宵、→

2018/12/10

かみぶくろ

柔らかいのに芯がある。温かいのにときどき不意打ちみたいにヒヤッとする。そんな感じ。すごく好き。

2017/02/18

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