アカペラ (新潮文庫)
アカペラ (新潮文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
四年ぶりの再読だそうだ💦山本文緒さんといえば長編なイメージだが、これはイイ感じに読みやすい三つの中編。それぞれちょっと不思議な家族関係の中で生じる、恋愛のようなそうでないような。似たような経験があるわけでもないくせに、どれもわたしの気持ちをグイグイ揺さぶってくる。特に『ソリチュード』、山本さんのことだからおそらくこの春一を真ん中に置いて、長編をあといくつかお描きになれるんだろうなぁ。美緒や一花、そして武藤なんかも各章の主人公にして連作短編集も読みたい。先生、ぜひ。
2021/08/31
ミカママ
内容からして嫌悪感を抱く読者もいるとおもう。でも彼女の描くものがたりは、いつだってわたしを夢中にさせる。
2018/05/06
さてさて
『この姉弟が幸福なのかどうか、あたしはいまだに、というかますますわからなくなってきていた』というように、幾ら当事者に近い位置にいる存在であっても、存在になっても、当事者でなければ理解できない感情というものが確かに存在します。それは、この世に数多ある家族それぞれにあるものであり、同時に何を幸福と感じるのかという答えも数多存在します。表紙のたまこの真っ直ぐな目に見つめられるこの作品。温かさと切なさを感じる、それぞれの結末に、家族ってなんだろう、幸福ってなんだろう、と改めて考えることになった、そんな作品でした。
2021/06/07
扉のこちら側
2016年377冊め。タイトルから想像したものとはだいぶ違う話だった。表題作『アカペラ』は、祖父と孫娘の美しい関係にとどめておいてほしかった。読後感が悪い。他2編ともに、一筋縄ではいかない家族の設定がじわじわと明らかになってくる、その書き方はお上手なのだけれど、私の好みのプロットではなかった。
2016/06/06
アッシュ姉
山本文緒さん七冊目。家族をめぐる切なくて温かい三つの物語。文庫版あとがきによると直木賞受賞第一作である「アカペラ」のあと、ご病気で約六年ほど休養されていたのだそう。復帰作が「ソリチュード」、その翌年に書かれたのが「ネロリ」だそうだ。ぶっとんだ展開や何だかなの人もいるが、それらをくるめても愛おしく思える。復活してくださり感謝。
2021/06/02
感想・レビューをもっと見る