ミラクル (新潮文庫)
ミラクル (新潮文庫) / 感想・レビュー
野のこ
心がずっしりきた。母のいない父と息子の物語。「僕の話しを信じるかい?」ママは生きてるし、サンタクロースもちゃんといるって信じてるアル。すれ違う母子の様子をじっと見るアルの心のもようは胸がぎゅっとなった。信じる。信じたいという気持ちの苦しさ、父子が葛藤する場面は読んでて辛かったけど深い妻 ママへの想いがあって ぐっときました。最後は許す ほろ苦しくて切な気持ち。ミラクルは私たちの信じる力なのかもしれません。想定のシンプルさ、挿し絵の印象的な絵が物語と共鳴してました。
2017/12/25
しろいるか
これは大人のための児童文学だ。「奇跡とは目に見えるものではなく心の内側に降る雪のようなもの」というくだりはさながら『星の王子さま』。幼いアルが母を求め街を歩き回り、見ず知らずの女性に「あなたはママなの?」と問う姿がいじらしく痛々しかった。アルの為にミナを連れ帰った時のシドの父心にもぐっときた。「人間はずっとママに許されて生きていくんだよ」って言葉にはほわっと心が暖かくなる。1ページごとに描かれた挿画も、抽象的なところがかえって世界観にぴったりだと思った。
2011/02/03
かいちゃん
かわいそうだな、辛いな、と思いながら読み進めていったら、最後の最後のアルの言葉で涙腺崩壊した。
2018/02/27
meg
なんか美しい描写だ。著者の作品は、はじめて。多分。物語は印象が良い意味で無い。prime readingにて。
2024/09/24
まる子
ピアニストの父と息子のアル。アルは父から「母は雪が降る日に帰ってくる」と教えられていた。父は雪の降らない南へとアルと共に旅を続ける。なぜ南なのか…。純粋な心の子供に見える幽霊のダダとエラソーニ。その幽霊が見えなくなった頃、アルは大人に向かうのだろう。クリスマスの日、南の地方に30年ぶりに雪が降った。本来なら会えるはずがない母にアルは…。奇跡は必ずしも目に見えるとは限らない。雪の降る日、クリスマス頃にピッタリ!単行本で約30年前、文庫本で約25年前の本だけどステキ✨先生からのおすすめ本でした😊
2022/11/26
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