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アンチノイズ (新潮文庫 つ 17-5)

アンチノイズ (新潮文庫 つ 17-5)

アンチノイズ (新潮文庫 つ 17-5)

作家
辻仁成
出版社
新潮社
発売日
1999-03-01
ISBN
9784101361253
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アンチノイズ (新潮文庫 つ 17-5) / 感想・レビュー

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のせ*まり

連日暑いですね。そんな時はどこにも行かず、扇風機(あえてクーラーではなく)の微風でグダグダになりながら読書をするのも夏の醍醐味だと思っている。そしてそんなぐたぐたな時に読むのにぴったりな本書。前にも後ろにも進まないモヤモヤした夏を過ごす自分を、辻さんなら肯定してくれそうな気がする。大切なものは目には見えないと知ったのは、星の王子さまを読んだ小4の頃。あれから何回もの夏を経て、『真実は側にあってもなかなか気づけないし、人によって、何を真実とするかは異なる』と改めて気づかされた今年の夏なのでした。

2018/07/22

chie

読書メーターの登録以前(40代の頃だから10年ぐらい前)に初読した本。10年前、主人公の登場の仕方が面白くて、その勢いで読み終えた感があるのだけれど、今回も割とそうだったので、私はあまり成長してないな~と思った。けれども、これは好きな方ということは変わりなくて良かったと思う。『風の歌を聴け』(村上春樹著。こちらは初読後35年ぐらい経過)と同じ匂いがする。この本に限らず、小説が孕んでいる、物語られていない言葉たちを読み解くことができる様になりたい。

2021/11/21

がじゅまる

「孤独」について書かれた本、と知人の紹介。区役所で騒音測定の仕事をしている主人公は、同棲中の恋人の留守電を盗聴し、彼女のことを疑い始める。みんな孤独で、みんなうまくいってなくて、みんなぶつかって、みんな命をすり減らす。最後の主人公と恋人との間の会話の通じなさはやりきれない。その展開は乱暴かもしれないが、その「納得のいかなさ」を私は評価したい。「まるでばかでかいコンドームにくるまれて性交をしているような冷静さが二人の日常にはいつでもつきまとった」(68頁)

2017/09/11

なしかれー

騒音測定の仕事をしている男の話。いつもヘッドフォンをして大音量のメタルを聴いているような男が騒音測定の仕事をしているという、この設定がちょっと面白い。今まで気が付かなかったニワトリの鳴き声や木々のざわめき、梵鐘の鐘などの騒音とは思えない大きな音が聴こえることに驚き、音の地図を作り出す。更に、聞こえるハズのない音を盗聴することで聞き、悩み、ピッチの解釈の違いが生む人生の問題に思いを馳せる。この世界には意識しなければ聞こえない音がたくさんあるのだと感じる一冊。

2013/09/22

ぼぶたろう

ちょっとしたきっかけがあり、再読。登場人物に1人くらいマトモな感覚の人おらんのか(笑)と主人公ほんとにきもちわるい!という軽い不快感を抱きつつ読み終えました。でも軽い不快感は著者の作品を読むときのお馴染みだから、まぁよし!ノイズとは、なんなのか。不快な音、心地よい音は人それぞれ。アンチノイズは雑音を排除するということなのか、あらゆる音を肯定するということなのか。

2017/06/14

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