サービスの達人たち (新潮文庫)
サービスの達人たち (新潮文庫) / 感想・レビュー
あすなろ
野地氏の見抜く目は愛に満ちているな、というのが9人の達人の人生語りを読了してまず思ったのである。天丼の章の末尾で食べに来た夫婦が天丼を掻き込む場面がある。野地氏はそれを、湯気の出る愛情を一刻も早く胃の中に入れるものだ…と表す。そして実にいろいろな仕事があるものである。どちらかと消えゆくものが多い気はするのだが。故に表す刹那・寂寥感と愛もあるだろう。野地氏自身はあとがきで庶民が主人公であるところが良く、こんな人生もいいなと思えるところが良かったと自ら評する。収められている9つの仕事人生は所謂演歌なのである。
2019/12/15
TANGO
昔は良かった、という老人の懐古趣味のようにも思えるところもあるが、それぞれがそれぞれの仕事に誇りと愛情をもっているのを読むと、そんな仕事に出会えた彼らを羨ましいと思うし、単純に凄いと感心した。サービスとは何か、を読み解くのではなく、それぞれの職人の生きざまから学ぶ1冊。
2016/04/25
なぎかぜ♂
サービスの達人と言うより、“サービスの職人”。サービス業に特化して尖った職人たち…って言うイメージの方が、自分は合ってるかなぁって。いろいろなサービス業のいろいろな達人たち、その達人たちの仕事ぶりや歴史を紐解いていくお話に、ただただ感心しながら読み進めていきました。
2014/09/02
ごへいもち
表紙の雰囲気とはちょっと違ってあまり上質とは感じられなかったが靴磨きの項はすごいなぁと思った。
2012/09/22
とみやん📖
昭和に活躍した有名人から職人まで、その道のプロを紹介した話。車のセールスマン、天丼屋、三助、電報屋、興行師、靴磨きなどなど、当代随一の人たちの足跡をおう。昭和史の片隅を垣間見るような気持ちになった。そして、一様に生き方が魅力的と感じさせる。在りし日こ東京、日本に少々ノスタルジックになる。
2015/06/18
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