緋色からくり―女錠前師謎とき帖〈1〉 (新潮文庫)
緋色からくり―女錠前師謎とき帖〈1〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
財布にジャック
江戸物でミステリーという程の大げさなものではないにしても謎とき帖と銘打ってあったので、興味を持ちました。そして、表紙に猫がいる。猫好きなのでふらふらと魅かれて読み始めると、ちゃ~んとこの白にちょっと黒いぶちが入った猫が登場してました。その名も見たまんまのネーミングで「大福」ちゃん。内容も謎を追っていくので、ミステリー好きには大変読みやすく、キャラクターもたっていて予想以上に楽しめました。難を言えば錠前師の活躍がもっと見たかったかなぁ。
2013/06/17
ぶんこ
女錠前師に髪結い、辰巳芸者に北町奉行所同心、目の前で母を殺された男児と、「大福」という名の猫。 設定が猫好きにはたまりません。 絡繰り錠前の場面では、まわらない頭を駆使して、どんな仕掛けだろうと想像たくましくなりました。 鍵がいらない仕掛けとは、憧れです。 仕掛けを外しているうちに、後ろから襲われそうだなとも想像しました。 こういった物語にありがちな敵陣に一人で乗りこむお緋名さんにはハラハラしました。 悪事を上手くやり過ごしたつもりでも、ちょっとした事から不安が再燃してドジをふむんですね。
2015/06/24
ううち
女鍵師のお話。鍵師というとピッキングのイメージだったけど、カラクリ錠を開ける方のようです。 ずっと積読していたけどもっと早く読めばよかった。主人公の緋名がカッコいいし、榎さんもカッコいい。猫の大福はかわゆいし、いい仕事してる。続き追います。
2017/10/25
カザリ
この作家さん、定期的に読みたくなるのですが、理由は長野まゆみ氏と同じです。20代は長野作品でしたが、ここ数年は田牧作品。この作者は物語というか描写フェチだと思います 誤解を承知で平たく言うと物語とかキャラクターではなくてシーン描写というか。綺麗なボキャブラリーでうっとりするので、それだけを味わいたくて舞い戻る。この作品に関しては宇江佐作品の髪結イサジシリーズを彷彿とさせる髪結や辰巳芸者も登場して、作者にとって秀作なのかなあという印象をうけますが、5回くらい好きでよんでます笑
2019/01/25
のほほん@灯れ松明の火
どんな錠前でも開けてしまう女錠前師という設定が面白そうで、読んでみました。事件にもっと錠前が絡んでいるのかと思ったのですが、そうでもなくて、猫の大福が早くから仇を教えてくれていたので、怪しそうに書かれているけれども康三郎さんのことは疑わずにすみました。さすが、大福が直ぐに懐いただけのことはあります。緋名、甚八、孝助、みごとに3人とも血は繋がっていないけれど、お互いを大事に思い合っていて、とても温かな関係でした。そこに大福がじゃれると微笑ましくて…。続編も読んでみたいと思います。
2013/05/21
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