無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫)
無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ゆいまある
どんな不安も所詮ドットの一つだと思うと心が平和になる。今こそ草間彌生。一気読み。10代の頃から幻覚があり、苦しさを紛らわすために死に物狂いで創作。裕福な家に産まれたが、両親は不仲で諍いが絶えず、愛情に飢えて育つ。肌の色で憎み合うより、愛し合おうとフリーセックスを提案。人々の固定観念を壊して回る。セックスへの恐怖心を克服する為、ペニスをアートにするが、自身のセックス観がどう変化したかは書かれていない。制作のエネルギーの一つでもあると思うので気になるところ。何かを褒めたかと思うと同じ口で貶すなど激しい人。
2021/01/24
青蓮
読友さんの感想から。草間彌生さんの作品はテレビを通じてしか見た事がないけれど一度見たら忘れられないインパクトがあります。本書はそんな前衛芸術家・草間彌生について自らの言葉で綴った自伝。現代美術について疎い私ですが読んでいて強く心を揺さぶられました。日本では「芸術か猥褻か」とスキャンダラスに伝えられた前衛パフォーマンスにも「反戦平和」と言う強いメッセージがある事を初めて知りました。「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」他の本で読んだピカソの言葉が思い出されます。来年にある展覧会に行く予定。
2016/10/05
こばまり
敬愛するあまり、20代だった私は小さなアパートメントのトイレットの座面以外全てを水玉で埋め尽くした程。当時、友人知人は「ちょいとお手洗いを拝借」の段になって驚愕したものだ。本書のジョセフ・コーネルについての追想の生々しさ。「時よ、待ってくれ、私はもっとよい仕事がしたいのだ」の一言にジンときた。
2016/06/07
橘
初めて草間さんを知ったのは、多分、たけしの誰でもピカソに出演された時だったと思います。鮮やかな髪と強く光る目、そして水玉が印象的でした。それからずっと忘れられず、でも美術展などは行けずにいました。数年前に、小さな展覧会へ行き、水玉とかぼちゃや網、男根に圧倒されました。美術館の外にあった、大きなかぼちゃも好きでした。草間さんの作品は不安にもなりますが、圧倒されます。この自伝もすごく光と強さを感じました。面白かったです。これからもずっと心惹かれる芸術家です。
2016/09/30
巨峰
草間彌生さんの自伝。今日を生きるため、そして明日に何かを残すための激烈な創造。60年代後半の彼女の暴れっふ゜りというか表現も凄いが、そこから生き延びていまなお鮮烈な作品を描いているのが素晴らしい
2012/08/20
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