室町お伽草紙: 青春信長・謙信・信玄卍ともえ (新潮文庫 や 20-3)
室町お伽草紙: 青春信長・謙信・信玄卍ともえ (新潮文庫 や 20-3) / 感想・レビュー
goro@80.7
10年前に読んでいた事も忘れて再読了。若き日の信長、謙信、信玄そして弾正が新型銃と足利将軍の娘香具耶を巡り対峙してゆく。これぞ山風ワールドの真骨頂でありました。
2022/07/30
本木英朗
これは文句なしに大傑作!! 何しろ発想がすごい。全体の主役というか狂言回しをつとめるのは16歳の日吉丸少年*1。彼は京の都に仕官すべき大名を探しにやってきた。ちょうどその頃は、甲斐の武田信玄・越後の長尾謙信、尾張の織田信長が、それぞれある目的を秘めて上洛していた、という状況。しかも当時の都は、三好長慶と松永久秀の間に深刻な対立が発生し、武家の棟梁たる足利将軍は地方に追われ、ただ一人、将軍の姉にあたる「香具耶姫」という絶世の美女を残すのみ。(→)
本木英朗
日本の歴史・時代・ミステリ作家のひとりである、山田風太郎の長編のひとつである。俺は2007年に東京で一度読んでいた。足利将軍家の姫君香具耶を奪ったものには南蛮銃三百挺をとらせよう――。美女香具耶を憎む妖女玉藻の号令に、信長・謙信・信玄らは色めきたった。姫を守るのは、剣聖塚原卜伝、上泉伊勢守。仕官先の大名の品定めに高見の見物決め込んだのは日吉丸――という話である。まったく覚えていなかったので、本当に超凄かったです、ハイ!! さすがは作者でありますなあ。(→)
2024/01/26
明智紫苑
時代の制約なのか、性差の制約なのか、「善女」と「悪女」の書き分けが腑に落ちない。まあ、私自身の好みの問題に過ぎないが。
2021/06/06
さっと
おもしろかった。キムタクは何を演じてもキムタクだが、風太郎はどの時代を描いてもやっぱり風太郎である。室町とは戦国時代の端緒で、のちの秀吉、信長、信玄、謙信、利休らがゆえあって足利将軍家のお姫様争奪戦で鮮やかに交錯し、その戦国時代の主役どもをてんやわんやさせるお姫様の名前(香具耶=かぐや)からして相当なモンだが、石山本願寺(大坂城)、山崎、堺といった舞台が出てくるだけで戦国時代をかじった人ならばニヤリとさせられよう。そういう史実に沿ったマジメな伏線の一方、トンデモ妖術マラタトウ!なんてまんま下ネタじゃんねw
2019/07/21
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