かまいたち (新潮文庫)
かまいたち (新潮文庫) / 感想・レビュー
yoshida
宮部みゆきさんの初期の時代物短編集。市井物の短編、怪異物の短編を各2編ずつ収録。「かまいたち」と「師走の客」の市井物は、読了感が爽やかで味わい深い。特に「かまいたち」は藤沢周平さんの作品に近い余韻を感じた。怪異物の「迷い鳩」と「騒ぐ刀」では、一膳飯屋「姉妹屋」の娘であるお初が、いわゆる第六感に目覚め事件を解決に繋げてゆく。様々な怪異による事件を収録する文書を「耳袋」と名付けたのに、ぞくりとした。怪異とトリックに人情が重なり、ぐいぐい読ませます。意外性を入れているのもまた良し。読後感暖かな色褪せない作品集。
2016/09/07
zero1
宮部ワールドの原型がここに。初期の時代小説を再読。表題作は医師の娘おようが辻斬りの現場を目撃。誰が敵で味方か?後半二つは霊験お初。キングの影響を受けた宮部らしい超能力を持つ主人公。異能者の悩みも描かれている。お初の活躍は「震える岩」「天狗風」で続く。本書は粗いが宮部は山本周五郎のエッセンスを継承する作家のひとりなのは間違いない。現代を描いても時代小説でも、宮部の核になる部分は揺らがない。そこに、この作家が支持される秘密がある。
2019/08/03
HIRO1970
⭐️⭐️⭐️宮部さんの初期の時代物。92年の作品ですが、80年代の作品をリライトしたものとの事です。著者の時代物は2冊目ですが、かなり良いですね!時代物は作家に成り立ての頃から取組んで来られている様なのでこれは今後もかなり期待できます。本作は短編4作品ですが、どれも甲乙付けがたい良い作品でオリジナリティー溢れる物でした。時代物と超常現象がどちらも好きな方にはオススメします。
2015/09/02
夢追人009
宮部みゆきさんの2冊目の時代小説短編集。宮部さんの因果応報のハッピーエンドの物語は安心して読めますね。『かまいたち』恐怖の辻斬り・かまいたちに遭遇した町娘おようの女だてらの度胸に感服し最後の大どんでん返しは快感でしたね。『師走の客』でかした!忠犬・鉄。大食いなのが幸いでした。『迷い鳩』霊験お初のデビュー作。およし、六蔵親分、直次と周囲によき理解者がいてくれて良かった。『騒ぐ刀』あまりの恐ろしさに震えあがる血なまぐさい怨念の妖刀物語。小太郎の意外な正体と勇敢な雄姿にメロメロで愛おしさが込み上げて来ましたね。
2018/11/28
遥かなる想い
時代物風ミステリーだが、私は入れなかった。宮部みゆきは現代以外にも その筆力で読者を巻き込むと聞いていたので、少し残念
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