模倣犯(四) (新潮文庫)
模倣犯(四) (新潮文庫) / 感想・レビュー
パトラッシュ
(承前)殺人犯が事件関係者として表に出てくるミステリは多いが、ほとんどは警察の捜査状況を知るためか他人に罪をなすりつけようと画策する。しかしヒロミを支配して人間狩りの手伝いをさせてきたピースは、次はカズの遺族を操って正義の味方を演じる快感に取り憑かれる。裏で人殺しを重ねるうちはうまくいっていたが、自分の優秀さを信じているため陽のあたる世界でもやっていけると疑わない。しかし、そんな彼を不審に思う者も確実にいる。双方の頭脳戦となる『デスノート』的展開は、マスコミを舞台とした大衆操作の争いになっていく。(続く)
2021/12/27
yoshida
この事件の黒幕、ピースこと網川浩一が現れる。巧みに由美子に取り入り、懐ける様は悪魔を見るようだ。網川は自分の優秀さを、自分の操り犯した犯罪という作品を、世間に知らしめたい。最後の網川が本を書くという宣言。強烈なヒキで4巻は終了する。そして、いずれ網川はいずれ犯罪を再開するだろう。4巻でも被害者家族の心理を狙う詐欺師等、人の持つ悪意が生々しく描かれている。それにしても由美子を誘導する網川の狡猾さには読んでいて気分が悪くなるほどだ。網川は何故、このような悪人となったのか。その背景も非常に気になる。次で最終巻。
2019/01/26
ykmmr (^_^)
ついにピースの実人物が判明。そして、『模倣犯』の意味も、ピース=真犯人が分かってくる。表面は良い人→実はサイコパスはありありな話だけど、それをどうやって、奴に自白させるのか?由美子や有馬の爺さんの反応や受け止め方は?ついに最終巻。由美子の苦悩が丁寧に書き込まれており、情をそそられる。
2022/03/21
さくゆめ
ある建築家は言った、家を見ればそこに住む人間の心を見ることができると。詐欺師の家は詐欺師の顔を、人殺しの家は人殺しの顔をしていると。なら詐欺師で人殺しのピースこと網川の家は、一体どんな顔をしているのだろう――苦境に晒された高井家が痛々しくて読むのが辛い…なのにやめられないジレンマ。卑劣な偽弁護士に由美子を利用し焚き付ける狡猾・網川ときて、何かとストレスマッハな四巻目。そんな中、何度義男の芯の強さに驚き救われたことか…お、おじいちゃーん!あんたが頼りだ!作者も読者も勢いは止まらない、いよいよ怒涛の最終巻へ!
2019/09/06
どんちん
この4の位置付は、例えると最終コーナーを駆け抜けたところ。後はゴールめがけて一直線!まさにいいところで終わってしまった!なのだが・・コーナーだから、多少スピードが落ち、駆け引きをするには、最後の場所、「仕込み」をするならここなのも理解できるが、スピード(展開)が遅すぎ・引っ張りすぎw ページをめくれども知りたい「続き」がでてこない。主たるメンバーがやっと接触を始め各自の思い思惑を胸に、次はどうなる?!と期待をするのも、ちょっちイラツキ感の方が大w さて、最後の直線の(5)は一気に駆け抜けてくれるのか?!
2013/06/13
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