あかんべえ(下) (新潮文庫)
あかんべえ(下) (新潮文庫) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
上巻での期待が下巻でいい意味覆される、究極満足の作品!拙い私の読書歴の中で最高の作品かもしれない。お薦め頂き、それがなければ決して手に取らなかった。上巻での興味喚起が結局、今は数倍の感動へと昇華してます!おりんとお梅の出自に涙し、結末へのエピローグに号泣しました!少女おりんの視点で紡がれる頁が多いので、読み手にやさしい文体です。たくさんの方にお薦め頂いた作品ですが、前知識なく読んで頂きたいまさに究極の『宮部時代モノ』です!あぁ、あらすじ言いたい❗だって読んで欲しいから❗後悔させません!お薦めです‼️🙇
2019/04/02
kaizen@名古屋de朝活読書会
宮部みゆきの江戸の下町の話は安心して読める。主人公が宮部みゆきの分身のようで、いろいろな人との付き合いが広がる。人と人とのつながりが、商売、街を作っていく。いろんな人の思いを集めて、最後に辿り着く。包丁使いが旨い子供が出てきたところで、将来一緒になるんだろうなという伏線として読める。
2013/06/11
yoshida
宮部みゆきさんの時代物の作品の中で指折りの作品だと思う。全ての伏線が綺麗に回収されていく。遂に亡者を越えた鬼が現れる。鬼になるにも理由がある。生きながらに恨みや妬み、強欲の感情にとらわれる。その果てにたどり着くのが鬼なのだろう。人は生きていれば様々な感情にとらわれ、過ちを犯す。鬱屈とした想いで生きるより、誰かの為に生きる、償いを果たしながら生きる。同じ生でも毎日が違う筈である。同じ時間を生きるなら、前を向き周りに感謝して生きたい。ただの時代物ではなく、今も通じる人間の業や生き方を訴える素晴らしい作品です。
2017/10/02
財布にジャック
上巻に引き続きホラー要素が満載なのにもかかわらず、主人公のおりんちゃんの健気さに支えられて、優しい気持ちで読み進むことができました。善も悪も、人間もお化けも、宮部さんの手にかかるととても魅力的なのは、何故なんでしょうか?その上、上巻からの伏線が見事に絡みあいながら、あれよあれよという間にすっきりと解決していくんですよね。まるで魔法?宮部さんご自身も異能力があったりしそうな程巧いです。
2010/12/09
mariya926
おりんちゃんを見ていると、自分も子どもの頃はこんな目で大人のことを見ていたのに、子どもたちが大人をどう見ているのかを忘れてしまっていることに気づかされます。おりんちゃんが機転を利かせて、お化けさんたちの正体を探りますが、だからといって成仏してほしいわけでもない、そんな優しさに心打たれました。最後までどうなるかドキドキでしたが、なるほどって思うラストでした。おりんちゃんはちゃんとした大人になって欲しいですし、なってくれそうな希望があります。やっぱり宮部みゆきさんの時代物は最高です。
2019/02/16
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