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荒神 (新潮文庫)

荒神 (新潮文庫)

荒神 (新潮文庫)

作家
宮部みゆき
出版社
新潮社
発売日
2017-06-28
ISBN
9784101369419
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荒神 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ウッディ

江戸時代、山裾の村が壊滅する事件が起こった。生き残った村民の証言により、巨大な怪獣の存在が浮かび上がる。反目する二つの藩が力を合わせ、怪獣の由来を解明し、退治する。 時代劇版のゴジラというストーリーが、陳腐にならないのは、時代背景、そして登場人物と背景をしっかり描いている宮部文学ならでは。。ただ、オカルト的な解決ではなく、SF的な結末にしてほしかった。

2017/09/18

bunmei

江戸の世が100年ほど経った元禄時代が舞台の超スペクタクル・モンスターパニック時代劇。『大魔神』を思い起こす内容。宮部さんはサスペンスからSF、時代物まで幅広い作品を描きますね。関ケ原の戦以降いがみ合う永津野藩と香山藩。そこに突然現れて村を焼け尽くし、人々を喰らう蜥蜴と蛇と蝦蟇のような怪物。いったいこの怪物の正体は?迫りくる怪物の恐怖と共に、立ち向かう人々。その真相が徐々に明らかになって浮かび上がるのは、2つの藩に纏わる因縁と人間の卑しい性と業。来年1月のNHKが楽しみ。  10/01 17:16

2017/10/01

ぷう蔵

時代物というよりファンタジーという方が言い得てる。背景を変えれば現代物となっても面白いだろう。啀み合う二国に訪れる経験したことのない脅威、そのまま啀み合ったままでこの脅威を退けられるのか…。これって今の地球上で起きていることに通じているようにも思う。自国に降りかかってくる火の粉は払わねばならないが、火の粉を隣国に落としていいものか。共通の脅威に対して啀み合いを止め、手を携え両者がともに繁栄できる結果を導き出せるか。対立する二国にも傷んでいるもの、正しきものに手を差し伸べるものがいたことが救いだ。

2017/07/21

あきぽん

宮部みゆき時代小説の到達点、という触れ込みの分厚い本。読んでみたらは元禄東北山村版の「シン・ゴジラ」でした。「シン・ゴジラ」と同じく、東日本大震災がきっかけで創作されたのでしょう。災害だけがテーマではなく、元は同一藩であった隣同士の藩の確執もテーマだから朝鮮半島の問題もヒントにしたのかもしれません。ヒロインの造形はジブリ映画を連想させられました。事態の収拾の仕方は私好みではありませんでした。NHKで実写ドラマ化されるそうですが、怪物映像をどこまでテレビでできるのか、NHKさんのチャレンジですね。

2017/09/26

ケンイチミズバ

村人が心を寄せる小台様、凛として優しく美しい朱音はナウシカ(年令は置いといて)、旅の客人、宗栄はユパで怪物はオーム、怪物が次に向かった名賀村が風の谷だな。軍事大国というか永津野藩はトルメキア、小国香山藩にあって怪物に滅ぼされた仁谷村はペジテ。名賀村の特産は養蚕ですが、怪物はカイコみたいな昆虫系ではなく北斎漫画の蜥蜴とガマ蛙と蛇のミックス。昔見た特撮、仮面の忍者赤影を思い出すもののB 級活劇でなくストーリーがとてもよくできてる。怪物が出てこなくても国境での領地争いのみに絞っても面白かったのではないだろうか。

2018/01/31

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