にんげん蚤の市 (新潮文庫 た 98-5)
にんげん蚤の市 (新潮文庫 た 98-5) / 感想・レビュー
ARIE
初読。女優であり文筆家でもあった高峰秀子さんの隠居後の生活を中心としたエッセイ。高峰さんの江戸っ子なところ、ツンとしているのに人の心に寄り添ってしまう不思議な魅力が文章からも伝わってきます。司馬遼太郎さんが亡くなった折のお話が印象的。司馬さんのお手紙が無邪気でどこかユーモラスなのが意外だったり…。カメラマンに撮影中に薔薇を千切られたお話、今のモデルだったら花を可哀想と思って怒る人なんてまだいるんでしょうか。昔の人に特有なモノに対する思いやりが新鮮です。
2017/09/05
ZEPPELIN
おそらくメインである海外での旅行・滞在パートより、親交のあった人物たちのエピソードがいい。今では絶滅危惧種であろう親分的・兄貴的な気質を持っていた若山富三郎さん。若い頃からいい仕事をしていた中島誠之助さん。セイちゃんて、この人のことか!とビックリ。粋な人の粋なエピソードは、読んでる側からしても心が温かくなる。乙羽信子さんとのやり取りを見ても、高峰さん自身が姉御肌の粋な人である。終盤で頑なに褒章を固辞するくだりが、「ダメよ〜、ダメダメ」のようで面白い
2014/12/17
カネコ
○
2017/11/19
yoyogi kazuo
乙羽信子へのキツい助言、若山富三郎「お兄ちゃん」の男前エピソード、司馬遼太郎への私淑ぶりなど貴重な歴史的証言の束。中でも「小さな棘」という秀逸な一編に出てくる松本のうなぎ屋ってどこのことだろう?
2021/12/29
うなこ
人間力、人たらしなところに嫉妬してしまう。羨ましいー!わたしも、かわいがられたーい!サバサバしてるけれど、心遣いは完璧、、。汚部屋の住人には遠い世界。
2013/02/01
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