螻蛄(けら)―シリーズ疫病神 (新潮文庫)
螻蛄(けら)―シリーズ疫病神 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ehirano1
今回は宗教絵巻物利権で東京遠征。相も変わらずの疫病神(桑原)とミスターズタボロの二宮は今回も欲に目が眩みますが、やっぱりハイリスク・ローリターンで、塀の外の懲りない面々とは当に彼らのこと。そして、桑原が家ではビールの一本も飲まずに、経済書や金融、法律の本をよく読んでいるという興味深い一面には驚きました。
2019/09/07
KAZOO
シリーズ4作目です。ヤクザとその相棒が主人公なのですがここまで読んでしまうのは、ある意味主人公たちがさらに巨悪やほかのヤクザから金をむしり取ったりして一般人にはあまり迷惑をかけないからなのでしょう。それにしてもこのヤクザはうまく設ける種を見つけてきます今回は宗教法人の分裂とそのお宝に絡む話で東京まで出張っていって東京のヤクザに目の敵にされたりします。宗教法人すべてとは言いませんが、統一教会なども同じですね。
2024/07/10
修一朗
てっきり新興宗教かと思っていたら、れっきとした由緒ある宗派の話なのだった。宗教団体の魑魅魍魎ぶりには驚いてしまう。桑原が目を付けたのは税金御免の宗教と仏教古美術、こりゃまた腹黒野郎がうごめいていてうさんくさい。情報量たっぷり抜群のお勉強感はいつも通り。昼夜問わず走り回る桑原と二宮,東京-名古屋-京都と移動距離は何km?ってぐらい動き回ってイタイ思いもさんざんして例によって思いっきり燃費の悪いシノギだ。桑原サンにはこれからも黒くてヤバイ世界に首を突っ込んでほしい。これでシリーズ読了、全作とも面白かった!
2015/10/24
Shinji Hyodo
文庫本で746ページ…こんな長編は初めて読んだかも。373ページに分けて上下巻にしないところがこの物語の面白さかなぁ…ダブル主人公の二宮(堅気)と桑原(極道)のコンビのたまらんオモロい会話を省けば正味246ページ程で済んだのではないかいな?と思うくらい…“アホか、ワシらそんな500ページ分もギャグ言うてへんぞ!おどれなに眠たい事言うとんじゃ”とばかりに桑原がテーブルを蹴り飛ばすのを避けながら読み耽る。黒川さんのこのシリーズ、読み終えるまでは娑婆に戻れそうにない(´Д` )
2016/11/09
ぶち
イケイケヤクザ・桑原が自身のシノギにダメ男・二宮を無理矢理に引っ張り込むパターンもすっかりお馴染みに。前作のシノギは実際にあった佐川急便事件がモチーフとなっていました。今作も実際にあった浄土真宗本願寺の分裂紛争がモチーフなっていて、お馴染みパターンでも読者を飽きさせません。由緒あるお寺と宗祖にまつわる宝物をめぐって、腐敗刑事、新宿ヤクザ、怪しい画商、金と権力に取り憑かれた生臭坊主たちが入り乱れての騙し合いです。仏教という宗教においても権力欲に取り憑かれると、どうしようもないワルとなってしまうのですね。
2021/09/08
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