マボロシの鳥 (新潮文庫 お 75-2)
マボロシの鳥 (新潮文庫 お 75-2) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
(感想は表題作のみ)爆笑問題の太田光氏の短篇集。9篇を収録。爆笑問題はNHKの「探検バクモン」を録画して見たことがあるが、元来はお笑い系の人たちなのだろうか。私が見た限りでは、太田氏はなんだかエラそうなばかりで、それが彼の芸なのだろうか。さて、小説だが、篇中にも何度か出てくる「陳腐」という言葉が、そのまま当てはまりそうだ。語彙も表現も世界観もまことに陳腐である。文体は井上ひさしのそれを通俗化したもの。また、主人公のタンダカは、芥川の「蜘蛛の糸」のカンダタに出典がありそうだ。ファンの皆様ごめんなさい。
2017/10/30
takaC
全体に読みにくかったせいかあまり楽しめなかった。
2016/03/12
優希
良くも悪くも太田光の世界観が広がっています。繊細でありながら大雑把だったり。だからこそ愚かで愛おしい。太田さんを好きか嫌いかで作品も好き嫌いが出るような気がしましたが。
2023/07/28
ふう
こわれそうな卵を大事に包み込もうとするような、包み込まずにはいられないような、太田氏の繊細さが感じられる作品です。でも、卵はただ壊れやすいだけではなく、新しい命を生み出す力をもち、生み出された命はまた何かを創りだします。それは、目には見えないけど時を超えて繋がるもの、場所を超えて繋がるもの。マボロシかもしれないけど、信じ続けることによって「いる」と実感できるようになるものなかもしれません。これからの作品も楽しみにしています。
2013/05/17
ヨクト
芸人・太田光さんの作品。「世界が繋がっている」ことを描いた短編集。どのストーリーも童話のような雰囲気、文章で読みやすく、また教訓めいたものを感じた。落語調の作品もあり、リズムというか、読んでいてテンポが心地よかった。ストーリーの背景には戦争やテロといった人類の愚かな歴史が垣間見えるが、暗くではなく、むしろ明るく「世界が繋がっている」こと「過去、現在、未来は繋がっている」ことを感じさせてくれる。
2013/03/31
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