すき・やき (新潮文庫 や 70-1)
すき・やき (新潮文庫 や 70-1) / 感想・レビュー
しんごろ
中国人留学生の梅虹智が高級すきやき屋で悪戦苦闘する物語。たどたどしい日本語にほのぼのさせられ、着物や習慣に戸惑う姿もほのぼの。留学生仲間の韓国の柳賢哲との会話がなんとも微笑ましくほのぼの。二人の会話をずっと聞いていたくなる。そして、店長と柳賢哲の間で揺れ動く恋心?までもほのぼのしてしまう。柳賢哲もいいね。動じない押しの強さがいい味をだしている。外国人から見た日本の文化や習慣は、こう見えるのかと思いつつ、ほのぼのして優しさ溢れる物語に何度も再読したくなる。読み終えて、ひと言叫びたい。「すき焼き食べて~!」
2020/11/22
ぶんこ
著者初読みです。中国人の留学生虹智が、高級すき焼き店でアルバイトしながら文化と言語の違いに戸惑いつつ、成長していく物語でした。大学では同級生の韓国人柳君から積極的に近寄られ、アルバイト先では店長から密かなデートに誘われと、これからどうなる事かと思っていた矢先、なんと物語は終わってしまいました。中国、韓国、日本の違いが面白く、楽しみだったのに、急に階段を外された気分です。
2016/08/01
はつばあば
なんとまぁ・・すきやきの匂いが本から染み出てくるようです。中国から韓国から、習慣の違う、言葉の違う日本に留学してこられる若者。そんな若者に日本人として恥じないように接したい。特に可愛いココちゃんにアタックする韓国の柳君と店長。店長妻子持ちがあかんでしょ。ちゃんと妻子持ちだと云っとかないと後が大変だよ、恋を知らない娘は。だってココちゃんつまらない事を言わないし賢いわ。だから傷つけたくないのよね(^^♪。?店長に読み友さんの顔が浮かんだ(ノД`)。薄い本ですがこれだけ達者に日本語を操られる揚逸は凄いです。
2016/07/24
rakim
著者の楊 逸さんが日本語のニュアンスを確信して書いていらっしゃるとすると、登場人物に対する多少皮肉っぽい部分も感じました。あぶなっかしくも見えるけれど、すき焼き屋さんで頑張っているココちゃんを応援したくなります。
2013/04/05
ろくでなし@ぐーたら中
58点 日本人、中国人、韓国人。これだけ揃うとやはり昨今の領土問題に絡む微妙な緊張状態が…この本にはない(笑)異国の文化を尊重し馴染もうと恋に勉強にアルバイトにと奮闘する中国人留学生ココちゃんが微笑ましい。片言で喋る外人さんてどうしてこうも親しみが沸くんでしょう。彼女の目を通して垣間見る哀愁溢れる人間ドラマ。作者が中国の方だからか表現が不意を突いてて面白い。続きの気になるバッサリな終り方がちとズルいが乙女の純真を計らずも弄んだ形になってしまった日本人店長に成り代りまして謝りたい。ココちゃんなんかゴメンネ。
2012/12/08
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