盲目的な恋と友情 (新潮文庫)
盲目的な恋と友情 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
タイトルからきっとソッチ系のお話だろうと身構えて読み、途中の伏線もちゃんと拾うことができた。女同士の友情あるあるのオンパレ。3という数字は良くない、割り切れないからね(わかる人にしかわからないレビュー)。蘭花ちゃんのお母さんが好き。元タカラジェンヌだもんなぁ、なにしても許されるよなぁ。
2019/12/10
ミカママ
えええええぇぇぇ、再読だったとか(笑)いま読メ開いて初めて知ったよ(笑)わざわざ日本から紙で購入してきたのに。さて、今作の要点はあとがきで山本文緒先生がさくっとまとめてくださっている。「いくら友情をはぐくんでも、女性の幸福の完成には異性のパートナーが必要」←ココ。わたしも100人の頼りになる女友だちよりも、ひとりの彼氏が欲しい(笑)これは、学生時代の友人(全員女性)も去年再会したとき言ってて「さすが類は友を呼ぶ」だって笑ったな(笑)
2024/09/11
さてさて
<恋>と<友情>の二編からなるこの昨品。明暗がハッキリしている分まだ救いがある<恋>に対して、最初から最後まで光の当たらない日陰の世界を描く<友情>。そこで蠢く『盲目的な友情』の沈鬱さ、もどかしさ、凄惨さ。『どうして、いつの日も、友情は恋愛より軽いものだというふうに扱われるのだろうか』という留利絵の心情を現したこの表現。この両者を冷静に比較して考えることのない日常の中に新鮮な驚きを与えてくれるこの表現。淡々と描かれる一人の女性の情念の世界の中に『友情』って何だろうと改めて感じた、とてもダークな作品でした。
2021/05/21
ろくせい@やまもとかねよし
山本文緒さん解説「切れ味のいい美しいナイフのよう」が言い当てる。大学オーケストラで集った大学生らをめぐる。同じ時間と空間を過ごした2人の女性。鋭い心境で展開。容姿に恵まれるが、初めて精神的肉体的共有した男性に囚われる女性。容姿に恵まれず、姉妹や友人の対比の中で自己肯定を築く女性。容姿や社交性など持つものと持たざるものの不条理な格差の表現だったのだろうか。否、多様な人間意識の存在の表現ではなかっただろうか。内を志向する意識。外なしでは確認できない意識。そして同じ景色でもそれらの意識は決して重ならないことを。
2021/01/26
三代目 びあだいまおう
辻村さんによる『盲目的な恋』と『盲目的な友情』の話。1つの話が表裏で紡がれる。同じ時間を生き、同じシーンを体験しても人はそれぞれ。感情や理性の姿は異なる。恋も友情も、盲目的になるほどの経験はない私には新鮮で、そしてハードで重苦しい!何となくいつもと違った辻村さんを味わい、やはり流石の辻村さん色をのせてくる。恋も友情も盲目的になるほどの経験はない。自分が自分のことより相手のことでいっぱいになるのかな。思いが強まり疑心暗鬼となる。時にそれは嫉妬と恨みへと反転する。一途という純情。ある意味恐ろしいですね‼️🙇
2019/10/26
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