プライド (新潮文庫)
プライド (新潮文庫) / 感想・レビュー
鳳
それぞれが中身の濃い社会派短編集でした。勉強になりました。農業、政治、医療、食をテーマに、闘う姿勢、プロとしての責任。プライドを持った人たちの熱い思いが伝わってきました。仕事に対しプライドを持っている人たちが羨ましいです。
2016/03/06
アッシュ姉
真山さん13冊目。知識欲が刺激されるテーマが並び、著者の短編は初めてだったこともあって新鮮だった。ハゲタカのような胸がすく結末ではなく、現実的な展開ですっきりと終わっていない。もわっとするけど、いろいろ考えさせられる。真山さんの医療小説を長編で読んでみたくなった「医は」、興味がつきない生態の「ミツバチが消えた夏」がなかでも印象的。『黙示』へと続く話もあるようなので、こちらも読まねば。
2017/09/22
むう
久し振りに真山さん。薄い短編集一気読み♪ で、すご~く満足です☆ 6篇+1(ショートショートっぽい?)の短編集、ワタシのイチ押しは「暴言大臣」。政治+国際謀略という魑魅魍魎の世界を、幾重ものトリックを織り重ねて見事に超大国の国益を守って見せた某〇IA、お見事(^^♪ でも、イチバン笑ったのは「…この国を滅ぼす最大の元凶は、〇〇の世代だよ。…あれは亡国の世代だ!」、自分の中でかねてから密かに抱いていた見識と同じ(!)大いに溜飲が下がりました(笑)。…ネタバレになるのであとは本作をお読みくださいm(_"_)m
2017/05/12
Carlos
真山さんの短篇集、農業系中心に問題に鋭く切り込んでいる。無駄がなくとても読みやすかった。
2021/11/07
まつうら
プライドとは、日ごろは見られないパフォーマンスを引き出すことのできる、とても強い情熱を呼び起こすもの。しかしそれをいったん言葉にして口に出すならば、我欲のかたまりであるかのような捉えられ方をしてしまう。著者のあとがきでこんなことが書いてあり、たしかにプライドという言葉が不思議なものだと印象づけられる。どれもプライドを内に秘めた短編集ながら、もっとも強い矜持を感じるのが「絹の道」だ。近代工業化の流れで衰退してしまった製糸業を、職人の工芸で復活させてみせる! という小手川つかさ女史の姿がとてもまぶしい。
2023/09/24
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