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よるのふくらみ (新潮文庫)

よるのふくらみ (新潮文庫)

よるのふくらみ (新潮文庫)

作家
窪美澄
出版社
新潮社
発売日
2016-09-28
ISBN
9784101391441
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よるのふくらみ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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帯や書店での謳い文句に期待しすぎて、少々踊らされた感はありますが良かったと思います。誰を主人公にするかでがらっと話の深みや切なさが変わるのが面白いし、違う人を主人公にするとさっきまで別の人が悩んでいたことが割と小さな悩みに見えたりします。みひろ、圭ちゃん、裕太、誰も悪くないし幼馴染みの恋愛小説としてはどの主人公にも共鳴する部分もありました(できない部分も多くありました)。皆が最後に幸せになってくれたし、自分たちの本当の気持ちに気づけたのでこれから起こりうる出来事にも前向きに乗り越えてほしいと思います。

2018/01/21

Yunemo

妙に、もの悲しさばかりが残って。単純に言えば男と女の三角関係、ただそればかりなのに。でも胸の内に残されたこのザワツキ感、何となく見つけてしまった相手の気持ち、もう今までのようにはならない関係が漠然と胸の奥に。伝え方が出来ない男と女。生は伝えられるけど、性は伝えられないもどかしさ。何だかなぁ、と一人想い。6つの章で表されるそれぞれの心の内に入り込めずに。センチメンタルな記憶に浸ることが、自分の体力や気力を削いでいく。分かるのですがやめられない良い時の回顧、しょうがないですね、最後まで誰かと繋がっていたいと。

2017/05/28

nanako

言えなかった言葉は、ずっとさまよい続け、そのまま残ってしまうんですね。なんでも言葉にして伝えないと・・・。圭祐の、裕太の、みひろの、どす黒く渦巻く感情をストレートに書かれ、不快に感じてしまうのは、自分でその気持ちを100%バッサリと否定できないからなんだと思いました。いろいろあったけど、最後は晴れやかな気持ちにさせられました。最後もよかった・・・。窪美澄さん、さすがです。

2016/10/09

しんたろー

窪さん2冊目。一行で説明すれば「古い商店街で育った兄弟と女子の三角関係」そう書くと「はいはい、ありがちなパターンね」と流されそうな設定だが、実に上手く構成されていて惹き込まれた。3人の目線が変わりながら、起こった出来事を微妙に前後しつつ、関係が移り変わっていく。生々しい部分を嫌う人もいるだろうが、それも含めての人間であり、嘘くさくない恋愛だと思う私にはシックリ馴染める青春物語だと感じた。3人の周囲の人々も実に人間臭くて好き。「何でも言葉にしないて伝えないと、幸せが逃げてしまうよ」という台詞にも納得。

2017/08/02

bunmei

前回が『教団✖️』で、重い内容だったので、今回はサラッと読めると思い選択。内容的には兄弟と幼馴染みの三角関係ですが、窪さんならではの健康的な性について描かれていて、すっと入り込めて一気読みでした。 兄は不能であるが故の哀愁を漂わせ、最後の章で、新たな希望も感じさせましたが、物語の余韻を残すなら、敢えてこの章はなくてもよかったのかな…と感じました。やっぱり、みひろも女性としての喜びを感じでいたかったのか…?また裕太の恋人が旦那な元に帰るのも、女性ならではの選択なのか…?男女の仲は難しいですね。

2017/08/22

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