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残響 (新潮文庫)

残響 (新潮文庫)

残響 (新潮文庫)

作家
柴田よしき
出版社
新潮社
発売日
2005-01-28
ISBN
9784101396224
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残響 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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Yuna Ioki☆

過去の声を聞く事ができる杏子。警察やら色んな人と出逢って、色んな事件に巻き込まれながらも過去と決別して強く生きて行こうとする姿勢に憧れます。東海林の優しさがナイス(^◇^)

2014/01/17

エドワード

ジャズシンガーの杏子には<過去のある場所の声を再現することが出来る>超能力がある。その力を捜査に利用したい警察。彼らも必死だ。しかし、彼女にはその力をコントロールすることが出来なかった。「ここで交わされた会話を再現してくれ。」と言われても、必ず出来るとは限らない。厄介な力だ。捜査で出会った新米女性刑事・葵咲枝と親交を深める杏子。咲枝は捜査に超能力を利用し、民間人を巻き込むことに悩む、もう一人の主人公だ。二人の心の綾、進化していく超能力の描写が上手い。幾つかの事件の解決の後、杏子は力を封印出来たのだろうか。

2018/09/07

眠る山猫屋

死者の残留思念と共鳴してしまう杏子には、DVによる悲痛な過去があった…辛い記憶が悲惨な過去の声を拾ってしまう話では終わらない。杏子の自立、周りの暖かい目、雰囲気は悪くない。かなり好き。柴田さんの描く悪党って、なんだか嫌いになれないんだよなぁ。──石神は笑った。ふてぶてしく、そして、淋しく。 サブタイトルも素敵。

2012/07/19

スケキヨ

悲劇から生まれた、謎を解く「超能力」。それは必ずしも幸せと直結するものではない。主人公が自分の心の傷から滲み出る闇と他人の闇とを同調させてしまうがために感じる「残された響き」。悲嘆に身を沈め、虚ろな日々を送るなら足枷になる「力」。でも少しでいい。少しでいいから、歩いた瞬間、彼らの響きは背を押す風に変わる。少しづつ、少しづつ、前に進んで生きる事を諦めないで欲しい・・なんとも柴田氏らしい作品です。解説の通り、柴田氏の「読ませる力」と「抽斗の多さ」にはいつも感嘆のため息・・・を越えて深呼吸をしてしまいます

2010/05/16

あつ子🐈‍⬛

再読。ジャズ歌手の杏子は、事件のあった場所から死者の残留思念を読み取ることができるという特殊な能力の持ち主。過去と向き合い悲しみを乗り越え、たくましく生きていく一人の女性の再生を描いた連作ミステリです。おもしろかったー。柴田センセの抽斗の数は実に多いな。

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