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いつか響く足音 (新潮文庫 し 50-7)

いつか響く足音 (新潮文庫 し 50-7)

いつか響く足音 (新潮文庫 し 50-7)

作家
柴田よしき
出版社
新潮社
発売日
2012-04-27
ISBN
9784101396279
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いつか響く足音 (新潮文庫 し 50-7) / 感想・レビュー

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papako

最近、柴田作品との巡り合いが続いてる。気になってたので嬉しい。ある団地に住む人たちの悲喜こもごも。最近あんまり読んでないから柴田作品って、どのくらいの毒があるのか?ヒヤヒヤしながら読みました。毒ではなく人の想いでした。それぞれの境遇はとてもやるせなく重いというより息苦しい。仲島と絵理の会話で人という不思議を読んだ気がします。うん、毒じゃなく楽しめました。

2020/09/27

アイゼナハ@灯れ松明の火

『昭和の夢の産物』と言われると些か胸が苦しくなる、ニュータウンの団地を舞台にした連作短篇集。登場人物たちはそれぞれに事情のある人たちばかり。かって多くの家庭の夢を育んだ場所が、今や孤独な住人たちが寂しさを分け合う場所になっているとしたらせつないね。それでも『この団地全部、家族、でいいんだよ』という考え方には仄かな温もりがあるような。そう、時にその姿が変わっても、人生は続いていく。

2012/07/01

エドワード

高度成長期の人々の夢、それは団地暮らし。中途半端ながらも、洋風の生活。台所でなくキッチン。居間でなくリビング。しかし21世紀の今、5階建にエレベーターの無い住居って考えられるか?団地の住民の心象風景、ここへ至る足跡を描く連作。共通するのは、人の欲望、哀しみ、孤独感だ。「団地は変わっていない。四十年前だって我々は、ちゃんと未来を想像し、未来のことを考えていたんだ。だが未来は、我々の思っていたのと違う方向に進んでしまった。」この言葉が印象に残る。孤独な魂が集まって人情豊かな団地が残るという皮肉も効いている。

2018/12/19

したっぱ店員

ニュータウンの古い団地に住む人々。それぞれの孤独が明かされる短編がゆるくリンクし、やがて団地は一人ひとりが明日に向かうための「家」となる・・。最後の章で朱美の笑顔が見えるようで、心が温かくなった。血縁の無いからこそ、他人だからこそ、繋がれる「家族」の存在がよりどころになるんだなあ。しみじみさせてくれる、いい読後感だった。

2012/05/21

eipero25

死にたいほど落ち込むことがあっても、投げ出さずに生きて行く道はある。そんな生きる勇気がもらえる本でした。 団地のこと、よくわかった。 時代遅れで、今後は消えていくばかりだろうけど、高齢者施設ばかりじゃなくて、こういう団地的な新しい住宅も考えればいいのに。 著者の多彩な作風をもっと追い求めてみよう。 角田作品を続けて読んだ後だったので、居酒屋・外食はほとんど出て来ないのが対照的で驚いた。家ご飯・家飲み派に同意します。

2017/12/16

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