たそがれ長屋: 人情時代小説傑作選 (新潮文庫)
たそがれ長屋: 人情時代小説傑作選 (新潮文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
この傑作選も、4冊目で、池波正太郎と山本周五郎は常連になっています。この巻は私のような年取り(むかしはもっと若かったのでしょうが)が主人公となっている話です。北原亜以子さん、山本一力さん、藤沢周平さんを含め5人の競演です。すべての作品とも読ませてくれて甲乙つけがたいのですが、山本さん、藤沢さんのはその中でも余韻がある気がします。
2016/01/15
じいじ
イチ押しは、池波正太郎の『疼痛二百両』。国元・能登藩の江戸屋敷をあずかる家老・宗兵衛が主人公。緊縮財政の至上命令、家老自ら倹約のために長屋住まい。そんな彼を消したい輩が現れます…。馬鹿な殿をもった家来ほど、ばかばかしいものはないーと嘆くと、又また持病の胃が痛み出します。池波さんのユーモアセンスあふれる面白い短篇です。時代小説の名うて、作家5人のアンソロジーはどれもいいです。山本一力の『いっぽん桜』も藤沢周平の『静かな木』…すべて紹介したい短篇です。
2022/07/17
yamatoshiuruhashi
池波正太郎、山本一力、北原亞以子、山本周五郎、藤沢周平の短編集。「長屋」と題されるが長屋の住人は1編。武士のお話2編。長屋の人情ものを考えていたら全く違った。とは言え、作者の顔ぶれの通り外れなし。藩の外交官役回りの武士の話、大店の頭取番頭が主の引退に伴って突然引退をさせられてからの話、ひょんなことから知り合った女二人が小さな見栄を張っていたために会えなかった話(O・ヘンリーのような感覚。勿論ハッピーエンド)、など楽しめます。一度読んだ作品もこうして並べると別の味わい。「たそがれ清兵衛」は入ってません。
2018/08/01
みずたま
「老い」がテーマの時代小説アンソロジー。北原亞以子「ともだち」が良かった。ラストは今で言う女子会かな(年齢的には微妙かもしれませんがw)
2015/03/09
コーデ21
豪華執筆者による珠玉の時代小説五編。池波正太郎「疼痛二百両」山本一力「いっぽん桜」北原亞以子「ともだち」山本周五郎「あとのない仮名」藤沢周平「静かな木」 いずれも甲乙つけがたい名作揃い✨ 「たそがれ」と銘打つだけに人生晩年時の哀感が胸に染みわたり~。北原亞以子さんは初読みでしたが「ともだち」は現代にも通じる女心^^ しみじみと胸に落ちました。
2021/04/30
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